朝日連峰 長井ダム〜三体山 2015.03.14




三体沢左俣の斜面






 山 域  朝日連峰 三体山  (1255.9m)  
 山行日時  2015年3月14日(日)
 天 候  快晴 
 メンバー  蒲生 柴田 大江 坂野 
 行 程  長井ダム6:50〜県道分岐7:50〜不伐の森8:10〜三体沢〜尾根821m〜三体山11:45-12:00〜直下(休憩)12:15-12:50〜不伐の森13:50〜長井ダム15:10

 
大朝日岳から南に下がる尾根上の先にピラミダルな祝瓶山が聳え立つが、そこからさらに真南に尾根をたどると遥か先に三体山がある。この山は朝日連峰のガイドマップからも外れている為知名度は低く、夏はともかく冬期間は地元の登山者でも訪れる人は少なく、ましてや山スキーの対象となっている様な話も余り聞かない。

 祝瓶山に42年間通い詰めていてアプローチ林道で何時も通過する山だが、南陽の実家からも近い為むしろ後回しになって訪れる事はなかった。置賜盆地からは尾根末端の白い連山として見える印象的な山だが、冬期間は長井ダムから先のアプローチの長さがネックとなり登山者を遠ざけている。

 ネットで地元のOさんのブログで概要を把握し、先週UPされたばかり蒲生さんのHPで情報を仕入れ、南側の尾根を辿って山頂を狙う計画を建てた。 2週間前に一旦計画した山だったが天候がいま一つの為順延となり、今回の好天を見逃す手はないと思って長井ダムまでやって来た。
 

 
 5:00AMに自宅を出発して登山口の長井ダムに着いてみると、その先には意外にいも先行者の車の跡があり、管理事務所近くに着いてみるとなんと同じ会の柴田さんの姿が。その先の駐車場には蒲生さんと大江さんが既にスタンバイ状態で待ち受けていた。蒲生さんは先週ニコゴリノ頭で途中引き返した為、今回はリベンジを果たすべく新たなコースを練っての第2戦目で、ただならぬ決意を秘めてのスキー山行に思えた。

 長井ダムからのシール走行は朝日に生えるながい百秋湖を後に林道を辿り、登り詰めるとその先に広大な不伐の森の雪原と共に三体山が姿を現す。ピラミダルな白い祝瓶山と大朝日岳も山頂をのぞせ、初めて見る光景に思わず見入ってしまう。

 シール装着のまま雪原を滑り降りるとそこにはコンクリートの橋が掛かり、その先の尾根を少し乗り越えると突然平原が広がる。今は樹林帯をなっているがかつては集落が近くに有り、広い畑や田んぼになっていたのだろうと想像がつく。

 蒲生さんが選んだコースは三体山の最短コースの顕著な尾根で、三体沢の右岸から取り付いて尾根821mを通過して稜線に至る。ニコゴリノ頭を経由する今までの南の尾根コースと比べて距離が短く、傾斜もほどほどで上部は広がっており理想的な山スキーコースに思えた。

 2日ほど前に長井方面はかなりの降雪が有ったようで、尾根上の斜面の雪はやや沈んで意外と重く、4人で汗を流しラッセルを交代しながら高度を上げて行く。当初は一人で山頂に立つつもりでやって来たが、これではとても一人で山頂まで届く気がしない。

 標高900m位で森林限界となって視界が広がり、置賜盆地が眼下になって遠く蔵王連峰も姿を現して素晴らしい景観となる。稜線直下の斜面には霧氷をまとった白い樹木と青空のコントラストが美しく、下を俯瞰すると稜線に沿ったスロープはすっきりして美しい。更に緩斜面を進むとやが雪庇の付いたて稜線となり、飯豊連峰・吾妻連峰・朝日連峰が視界に入って光景は一変する。

 稜線は意外に広くて山頂まではなだらかに登る雪庇上のコースで、ジャケットを着込んでパノラマを満喫しながら進むと間もなく山頂に着いた。所要5時間で辿り着いたのは上出来だが、ニコゴリノ頭経由の南尾根コースだったら4人のラッセルでも厳しかったかもしれない。

 山頂は風があるのですぐ下降に取り掛かったら、稜線の南にカモシカが姿を現して我々を注視していたが、やがて下降を開始するとなんと雪庇を踏み外して滑落。ちょっとなカモ間抜けなカモシカだが再び姿を現して東斜面をトラバースして下って行った。

 今回は初見参の為下降路は登ってきた尾根をほぼ忠実に辿るもので、オープンバーンから樹林帯に入って三体沢に一旦滑り込み、不伐の森を登り返えして長井ダムに戻る。スタートするとやや重い雪ながら板は良く走り、ショートターンで刻んで快適に降りてゆく。尾根の末端近くでは足を取られて難渋するが、その後は直滑降で快適に飛ばして下って橋を渡り、不抜の森を登り切ると後は一気に下って長井ダムに到着する。

 今回は山頂の往復に終ったがこれからの課題は残り、急峻な沢筋の東斜面だけではなく西斜面も可能性がありそうで興味深い。1月から2月にかけて三体山に辿り着くことは容易では無いが、誰もやっていなければその価値も有る。更に三体山の北にある合地峰(1293.3m)もターゲットになる。

 山スキーは特に自己満足度が強い遊びで、他人には無価値だったり興味が無かった山頂や斜面に拘る。何が面白いかは本人のみが知る特権なので中々辞められない。久しぶりの新規開拓山行も刺激的で満足だった。


長井ダム〜三体沢〜尾根820m〜三体山〜長井ダム  コースMAP
 
 
 ながい百秋湖

 
 不伐の森を下って橋を目指す。

 
 以前は集落があって畑にでもなっていたのだろう。
 
 三体沢の左俣を詰めて真ん中の尾根目指す。
 
今週降った雪は意外と重い。
斜 
 三体沢左俣は広くて明るい斜面

 
 尾根は適度な傾斜と広さが有って登りやすい。
 
 稜線直下の斜面に霧氷の光景は素晴らしい。

  
 大朝日岳を小朝日岳が姿を現す。

 
 快適なオープンバーンは下りに期待。

 
稜線の東斜面は魅力的な斜面



 三体山からコニゴリの頭に続く稜線

 
 登りつめるとと意外に広い尾根が山頂まで続く。

 
飯豊連峰が対座して素晴らしい光景が広がる。

 
 山頂方面は意外と広い

 
 三体山の山頂直下三体沢源頭の斜面

 
 豊富な積雪を物語る雪庇を越えて山頂へ。

 
 山頂は広い。

 
 合地山〜祝瓶山〜平岩山〜大朝日岳へと続く長大な稜線

 
 積雪豊富な東斜面は山スキーヤーにとって魅惑的。

 
 雪庇から滑落したカモシカも下山。

 
 ゆったりとした空間。

  この先から滑落。


 飯豊連峰をバックにした見栄えのするピーク。

 
稜線の西斜面も興味深い。

 
 やや重い雪だが板は良く走った。

 
 余裕が有れば登り返しも?
 
 尾根の途中でランチタイム。
 
 こんな斜面が残っている。
 
 やや重い雪はトップを浮かせてやり過ごす。
 
 後はトラバースして渡渉点へ
 
 今日は気温が上がってスノーボールが落ちる。

 
 正面三体沢の源頭がピーク。

 
  三体沢源頭の斜面

 
 不抜の森の斜面を登り返して長井ダムへ朝日連峰 長井ダム〜三体山 山スキー 2015.03.15