朝日連峰 大桧原山敗退 2008.01


    

      朝日連峰 マンモスの鼻(仮称)は激ラッセル 

     

 山 域  朝日連峰 マンモスの鼻 (1100mまで) 
 山行日時  2008年1月20日(日)
 天 候  曇り〜風雪
 メンバー  千田 荒井 坂野 
 行 程  大井沢4:42〜南俣6:25〜尾根取り付点6:53〜マンモスの鼻(1100m)9:53  10:35〜尾根取り付 き点11:20〜大井沢12:55

 
 最近続いている寒気の流入に期待いしながら、何となく気になっていた朝日連峰の有る場所を目指した。このコースを訪れるには3度目だが、標高の低いこの地では3月頃のパウダーなど望むことが無理で、寒気の強まったこの時期を待ちかねていた。
 この尾根は大井沢から南俣方面に進み、障子岳登山道左廻りコースの尾根取り付き点手前から右に入り、ヨウザ峰と紫ナデの中間部あたりの広い尾根に取り付く。この連続する尾根は斜面も広く、南面で吹き溜まりの雪もたっぷりの魅惑的なコースに思えた。今回はあまり気乗りのしない2人を無理やり誘い、何時もの様に大井沢の温泉駐車場に天ぱって宴会となる。



【概要】

 意外と予想した放射冷却も無く、未明の朝は意外と気分良く起床。何時も迷惑をかけ放題のグレーダーもやって来る気配も無く、堂々と駐車場に車を置いていざ出発。しかし真っ暗の大井沢を出発して南俣を目指したら、結構な深い雪で自慢のポケロケも沈み気味。沓位のラッセルだが歩いていても目覚めは悪く、あくびを連発しながら半分眠った様にして林道を進む。LEDの電池切れで前は良く見えず、最初は良かったがすぐにバトンタッチして後ろに下がる。

 南俣について小休止とするが、出発した時の星空はいつの間に雲に隠れ、雪もチラついてきて予想とは違った雰囲気。さらに南俣からの林道をを右に進み、右の杉林が出てきてからすぐ林に入る。まもなく出てくる小沢を乗り越えようとするが、パックリ割れた下は落ちたら厄介な小沢で、コンパス自慢の千田君にトップを切ってもらい、崩壊すれすれの雪を後続はストックで引きずってもらいながら通過する。この朝日連峰でこの様な有様とは以外で、何となく雪不足の現実をこれまた味わう事となる。

南俣で小休止 取り付き点を目指して 徒渉点の2m下は小沢の流れが・・・
 
 杉林から尾根筋に進むと急な斜面に出くわし、右にも左にも逃げるのが辛いモンキーラッセル。この深い雪の筈がまだ雪不足で潅木がうるさく、何となくすっきりしないのはまったく予想外。急傾斜の杉林を通過してカラマツ林を過ぎ、ようやく解放された様なブナの伐採地跡の尾根に入って行く。ここは南斜面の為、次第に強くなる風雪もさほどの事は無く、ただ次第に深くなって行く雪との格闘模様となる。

 大井沢でもそうだったが、やはり昨年より1.0mほどは積雪が足りない様で、4月のイメージとは違ってやや潅木が目立つ。時折姿を現す太陽だがすぐに厚い雲に覆われ、尾根上からは強風が吹き荒れる様子が伺える。しかしここは南斜面の尾根の為、蔵王東面の猛烈な風と比べれば優しい雰囲気。ただ、次第に膝下ラッセルとなってくるとスピードは落ち、塹壕を進む様な激ラッセルとなる。誰の物か尾根上には目印のテープが巻かれており、山スキーヤーかそれとも花木集めのスノーモービルでも入ったのだろうか。


尾根筋の杉林を進む面 カラマツ林からブナの伐採地へ

マンモスの尾根(仮称)は膝位のラッセル 塹壕を進んで行くとブナの疎林帯
到着した尾根上では風雪の歓迎を受ける 尾根上は適なツリーランコースが続く
 
 ようやく辿り着いた1100m地点の尾根上は、さらに風雪が強まって体が冷え、視界の無い目標の大桧原山ははるかに遠く、紫ナデまでも難儀な行程に思える。まだ時間は有るがこの深い雪ではどうにもならず、スピードが落ちて計画はガタガタとなる。なんともこんな所で退却とは情け無いが、また好天の時には再びチャンスがめぐって来るだろう。諦めも肝心ならば切り替えも大事で、後はお楽しみの斜面を思う存分堪能するだけ。そんな筈だったが・・・。
 
 さらに強まった風雪に追い返されるように背を向け、元来たトレースを滑り出すがスピードが出ない。この深さでは緩斜面で膝まで沈んでしまい、思うようなターンなど望むべくも無い。でも急斜面ではポケロケの本領を発揮し、後傾ぎみターンで右に左にショートターンを決めるとご機嫌で、今季初めての浮遊感を楽しみながら一気に下降する。下部のカラマツ林から杉林は多少鬱陶しいが、トレースに助けられて尾根を外す事も無く、尾根を忠実に下降して行くと簡単に林道に飛び出す。

雪は軽いが深すぎる 深すぎる雪に途中で止まる事も
 
 今回は目標に遥かに及ばなかったが、こんな事も織り込み済みでなければ山スキーは続かない。アルパインクライミングでもそうだが、最もお天気と雪の状態に左右される遊びが山スキー。難易度も変われば快適な満足度も激変する。まあ、こんなコースを目指す人も少ないと思うが、取り付き点までのアプローチが1.5時間、登り1.5〜2時間の登りを気にしない方にはお勧めします。ただ、尾根は南面で快晴の日は雪が腐りやすく、どちらかと言えば1〜2月の風雪模様の日の方が雪の状態は良いでしょう。なお、林道からの取り付き点は杉林を過ぎた小さな橋を越し、すぐの末端尾根に取り付いた方が登り易い。



朝日連峰 障子岳周辺 MAP