西吾妻山〜西大巓東斜面〜若女平コース下降 2013.01




西吾妻小屋から西大巓への樹氷源を行く




 山 域  吾妻連峰 西吾妻山(2035m)〜西大巓東斜面〜若女平コース   
 山行日時  2013年 1月5日(土)  
 天 候  曇りのち晴れ  −10.0℃(西吾妻山)  
 メンバー  蒲生(西川山岳会) 坂野
 行 程  天元台〜西吾妻山〜西吾妻小屋〜西大巓〜東斜面〜西吾妻小屋〜若女平コース〜天元台





 年末からの荒れた天候もようやく回復し、寒気は相変わらずの勢力を保ったまま日本海には高気圧が張り出し、山スキーにはまたとないチャンスがやって来た。昨年の同時期も同じコースをトライしたのものの、スタート間もなく雪深い樹林帯でツリーホールに行く手を阻まれ、なんと開始40分でリングアウトになって退却した苦い思い出がある。

 今回は当然多くの山スキーヤーやボーダーの方がやって来るだろうと思ったが、以外にも始発間もなくのゴンドラの駅にその筋の姿はない。しかし、切符を購入して改札を潜ろうとした時見覚えのある青いザックが有り、振り向いてみるとそこには西川山岳会の蒲生さんの姿が有った。当然予想はしていたが、やはり来るべき人がやって来たという感じだった。当然の事ながらこの先は同行をお願いする事になる。

天元台駅9:25〜西吾妻山10:27〜西大巓11:38〜東斜面基部12:00〜西吾妻小屋12:43〜若女平コース〜若女平13:55〜国道14:35〜天元台駅14:50

 第3リフト終点で出発の準備を整える頃には空に青空が広がり、気温は低いものの風も弱く視界も最高のベストコンデション。飯豊・朝日連峰はもちろん蔵王から月山まで望めそうな好天で、寒気で引き締まった空気の中にも何かやる気が出てくる。

 歩き出すと西吾妻山方面には昨日のトレースが続いており、立派な樹氷の間を西吾妻山を目指して歩き出すのは気分が良い。見事に成長した樹氷の間を通過して行くが、積雪量は十分で昨年のようなツリーホールは無くて歩きやすく、日頃親しんでいる月山の雪とは違って雪も軽い。先頭を行く蒲生さんはトップ幅が155mm有るというファットスキーだが、まさにこの時の為に新調したように快調なペースで進んで行く。

 稜線に踊り出てみると西吾妻山方面の山頂に雲が掛かっているものの、360度の見事な樹氷原のパノラマに目を奪われ、一息つく間もなく広大な雪原にトレースを引いて進んで行く。寒気が連続した為か今シーズンの樹氷は雪の付きも良くて成長が早い様だ。天候は更に回復基調に有る為に
気持ちも高ぶり、めったに味わえない樹氷原ツアースキーの王道を行くよう気がする。吾妻連峰は晴れてからこそ価値があり、この時期の風雪に捕まってしまうと地獄を見る。

 
   
          樹氷の発達は予想以上に良い                  薄日も刺して来て視界も意外と良好
  
中大巓を振り返る                           西吾妻山山頂へ続く樹氷郡
 
 コースは梵天岩の右を通過して進み、一時は西吾妻山の北東斜面を滑りたい気もしたが、実際の斜面は風が強い為かややパックされた雪で距離も短い為、当初の予定通りに西大巓の東斜面を目指すことにして更に前進する。後ろを振り返ると単独のスキーヤーが後を追って来たが、それ以外の人影は見当たらずに意外と静かな日と思ったが、西吾妻山を越えると西大巓方面からやって来たパーティーでスライドする。西大巓から西吾妻山を経由する二十日平周遊コースの山スキーヤーで、その後も2パーティがやって来て賑わい、今日は雪の状態が良いのか中々の人気コースとなっている様だ。
 
 
 西大巓の山頂に立ってみると東斜面には既に5〜6人位のトラックがあり、グランデコスキー場からやってきたスキーヤー・ボーダーの皆さんがスタンバイの状態で、待ち切れない様にして次々にパウダー斜面に飛び込んで行った。促される様にして我々もすぐ身支度を整え、トップバッターは蒲生さんとなってもらって自分はデジカメを構えて姿を追う。

 安定した滑りとリズム感はさすがにキャリアを感じさせ、結構なデープパウダーの斜面でもファットスキーの浮力を生かしてスピードが出ている様だ。残念ながら、慣れないデジカメの動画撮影でピントが甘くなってしまい、ズームも限度があるのであまり納得のゆく画像は撮れなかった。。続いて、ショートターンでパウダーを快適に蹴散らして降りて行き、あっという間に終点に到着して後は西吾妻小屋への往路をたどって登り返す。


  
西大巓の東斜面には既に多くのトラックが・・・。          
樹氷の発達は例年より早い   
  
 西吾妻小屋への登り返しには流石に疲れが出てしまい、一呼吸おいてから樹氷を潜るようにして進み、間もなく小屋が見えてきて今日初めての休憩を取る。殆ど休みなく行動していたのであまり落ち着くことも出来ないが、ゆっくりとカップヌードルを食して力を蓄え、いよいよ最後の若女平コースの下降に取り掛かる。

 小屋からは先行者1名のトレースが残っており、そのまま尾根コースを取って樹林帯の深い雪をかき分けて降りて行く。雪は相変わらず軽くて板はよく走るが、ターンするタイミングが遅れて今一つ調子には乗れず、しかも久しぶりのスキーで太腿に負担がかかって長続きがしない。歩きよりも滑りが辛い中高年の悩みです。

 その後はなんとなく雑な滑りになるのが何時ものパターンで、若女平についた頃には思わず1本を取るのが当たり前となる。それでもこの深い雪で先行者のトレースはありがたく、順調に高度を下げて痩せ尾根地点を通過する。まだ雪の付きが少ない為迫力不足の感じで、無難に通過して杉の植林地を下って最後の急峻なトラバースに取り掛かる。


    
東斜面のボトムから西吾妻山方面へ                        西吾妻山への登り返し

  
 
磐梯山方面は雲の中だった。                ひっそりとした西吾妻山小屋
 
 いつも疲れが出てくると厄介なトラバースなのだが、今日は雪が柔らかい雪がたっぷり付いて板はコントロールし易く、後は最後の杉の植林地をトラバース気味に進んで降りて行く。最後の橋に差し掛かると頃に先行者の姿があり、お礼を言いながら先行して間もなく終点の国道に辿り着いた。

 今日は行動中2回しか休みがなくやや強行軍で、急いだつもりは無かったが結構ハイペースで歩いた為、結果的には例年のペースより30分ほど時間を短縮したコースタイムだった。一緒に同行して頂いた蒲生さん、本当にお疲れ様でした。またご一緒お願いします。

 
  
若女平コースを目指して下降開始                      樹林帯では板が良く走る

  
 ヤセ尾根はまだブッシュ混じり                       最後のトラバース地点














































天元台〜西吾妻山〜西大巓東斜面〜若女平コース下降 MAP