吾妻連峰 西大巓東斜面〜若女平コース 2009.12




西吾妻小屋から西大巓への樹氷源を行く




 山 域  吾妻連峰 西大巓〜若女平コース  2035m(西吾妻山) 
 山行日時  2009年 12月30日(水)  
 天 候  曇りのち晴れ  −8.0℃(リフト終点)  
 メンバー  単独
 行 程  天元台〜西吾妻山〜西吾妻小屋〜西大巓〜東斜面〜西吾妻小屋〜若女平コース〜天元台

 今回は昨年に続いて西大巓の東斜面狙いで入山し、天元台から西吾妻山経由で西大巓を往復し、西吾妻小屋に戻って若女平コースを下降する計画を立てた。この時期のパウダーランとなるとまだ雪不足でブッシュは埋まりきらず、月山の姥ヶ岳東斜面か西大巓の東斜面くらいしか思い浮かばない。

 西大巓の東斜面は2000m近い標高の為雪質は良く、積雪に恵まれれば素晴らしいパウダーの浮遊感を楽しめる楽しいコース。西吾妻山から西大巓に至る樹氷原も魅力の一つで、天候に恵まれれば若女平コースの下降を加え、素晴らしいツアーコースで気に入っていた。

天元台8:50〜西吾妻山10:12〜西吾妻小屋10:17〜西大巓10:45〜東斜面〜西吾妻小屋12:42〜若女平コース〜若女平〜国道14:30〜天元台14:50

 第3リフト終点を出発する時には気温も低く曇り空だが、視界は良好で主稜線はほぼ見通しが効き、風もあまり無いのでツアースキーとしては条件が良い。シールを貼って登り始めると昨日のものと思われるトレースがあり、それに導かれながら樹林帯を登って行くとまもなく平坦になり、目の前には見事な樹氷原が広がっていた。薄曇りの空には太陽が姿を現し、南側には磐梯山・安達太良山方面の山並みが見渡せた。

 西吾妻山方面にはトレースが続いており、雪不足とはいえ立派な樹氷原を西吾妻山を目指して歩くのは気分が良い。途中からトレースを外して樹氷の間を通過して行くが、まだ雪が少ない為にツリーホールの落とし穴にはまってしまう。積雪の多いコースを選んで樹氷を周り込み、小さな斜面をつないでジクザク登高を繰り返す。
 
   
          樹氷の発達は予想以上に良い                  薄日も刺して来て視界も意外と良好
  
中大巓を振り返る                           西吾妻山山頂へ続く樹氷郡
 梵天岩付近を通過して行くはずだったが、途中でコースは左にハズレてしまって通過したらしい。、一旦鞍部に下った後は西吾妻山の山頂を目指し、斜面を拾いながらジグザグに通過して行くと、西吾妻小屋か西大巓方面からと思われるトレースが有った。どうやら二十日平を下降した模様で、ここで少し欲が出てきて迷ってしまう。この天候なら二十日平を下降しても時間的にはなんとかなりそうなのだが・・・。
 
 
 西吾妻山山頂から一旦引き返しても見るが、考えてみると下部の雪不足はなんともし難く、無理をしても藪との戦いで時間切れとなりそうな気もした。やはりここは我慢のしどころで、積雪が十分な1月末以降が快適そうで結局諦める。今日の天候は安定しているが、欲ばった時にはロクな事がないものだ。

 山頂から一旦西吾妻小屋に降りてみると、昨日小屋泊まりの人なのか新しいトレースがあり、西大巓方面にも2〜3人程のトレースが有った。西大巓方面は見事な樹氷原となっていて、南には磐梯山・猪苗代湖が眼下に広がり、ツアースキーには抜群のロケーションが広がる。吾妻連峰では最もお気に入りの光景だ。

   
グランデコから上がってきた山スキーヤーが先行する        滑ってみれば積雪量も十分なパウダー斜面     

  
 西吾妻小屋からさらに下って鞍部をを通過し、西大巓山頂の斜面を快適に登って到着すると、グランデコから登ってきた単独の山スキーヤーが滑降のスタンバイ状態だった。東斜面には昨日のトラックが刻まれれおり、多少荒れ気味なのは気にかかるが、先行して降りて行った山スキーヤーは心地良さそうなスプレーを飛ばして行く。

 すぐに体制を整えて降りて行くとこれが予想以上の積雪で、久しぶりに心地よい浮遊感を味わいながら飛ばして行く。しかし、シーズン初めの調子は今一つで、板に乗る重心が悪くてトップを引っ掛けてしまい、あっという間に雪だるまになる。でも、乾いた雪に思いっきりまみれるのも心地よく、先行者に続いて2本目を滑って満足感に浸る事ができた。姥ヶ岳の東斜面と比べると雪は軽く、板の走りも良く浮遊感もあって心地良い。

 2本滑った後には山頂にガスがかかり始め、余りのんびりしている雰囲気でもないので先を急ぎ、シールを貼り直して再び西吾妻小屋を目指す。小屋の下から目指して行くと場所は意外と分かりづらく、結局小屋を半周してからようやく到着した。

    
立派なモンスターたち                          飯豊連峰と西吾妻小屋

  
 
西吾妻小屋には来客が多い雰囲気                若女平コースを目指して下降開始
 
 小屋に到着してみるとそこには見覚えのある姿があり、案の定西川山岳会の蒲生さんだった。なんとなく今日辺りはこのへんで遭遇しそうな気もしたが、来るべき人が来るべき所にいたという事だった。スタートが遅れてしまって西大巓の東斜面を逃した様で、模様次第で若女平コースを伺っていた様子だった。

 こうなれば話は早い訳で、天候も回復し青空も広がって気分も盛り上がり、蒲生さんの後を追って尾根コース狙いで樹林帯を下り、尾根の右斜面に回り込んで斜面を下降して行く。雪はそこそこの量でブッシュも埋まり、板も良く走って快適なパウダーランが続く。余りツリーホールを気にする事もなく、所々狭い斜面もどんどん降りて行く。でも、テレマークではタイミングが取りにくいのか、狭い樹林帯では滑りにくい様子だった。しかし、緩斜面ではスピードも出て快適なテレマークターンを決める辺りは流石。

 一旦尾根の左側の斜面に回り込み、トラバース気味に戻って若女平に至り、時間もあるので1本取ってくつろぐ。単独だったらそのまま下降するだろうが、同行者がいるとその場の話も盛り上がる。名物のヤセ尾根には雪庇がなく拍子抜けだったが、後は鬱陶しい杉林の下降と最後の疲れるトラバースを続け、すっかり疲れて国道に辿り着いた。
 
  
快適なツリーランが続く若女平コース上部              樹林帯では板が良く走る

  
 若女平はまだブッシュ混じり                       痩せ尾根にはまだ雪庇がない




天元台〜西大巓〜若女平コース MAP