湯殿山 南斜面〜東斜面 (1500m) 2010.01




湯殿山 南東尾根上から山頂へ






 山 域  湯殿山 (1500m)  動画 No.1 動画 No.2
 山行日時  2010年1月24日(日)   
 天 候  曇りのち風雪  -5℃ (山頂付近) 
 メンバー  坂野 Tさん
 行 程  7:25志津〜8:18南東尾根取り付き〜9:43尾根上〜10:22湯殿山〜南面11:05〜12:04東面〜石跳川12:27〜13:05志津

 冬型が緩んで回復傾向とにらんで湯殿山を選んだが、意外と深い雪は予想外のラッセルを強いられ、尾根をやや強引に上って山頂に立った。しかし、思いの外重めの雪は手強くてスキーを廻すのは難しく、何となく消化不良で終わった感もあったが・・・。

 しかし、同行のTさんは悪雪も物とはせず、ジャンプ気味の綺麗なショートターンを決めるのは中々。弱層が有る南面・東面はどちらも遠慮気味のコースを選んだが、それでも厳冬期のパウダーを楽しんでそれなりに納得の1日となった。やはりこの時期でしか味わえない滑りは嬉しいもので、何度も通い続けたくなるのは自分だけではあるまい。
 
【概要】

 今日は早朝に南陽を出発た為に志津への到着が遅れ、着いてみると先行の車が2台到着して出発の直前だった。その一人の方が11月に一緒に月山山頂に立ったTさんで、結局同じ湯殿山へ向かう事になって遅れて後を追った。

 ネイチャーセンターを通過する辺りから雪は深まり、石跳川沿いでは膝下のラッセルが続いて雪もやや重い。間もなく一人の先行者を追い抜いて左岸を進んで行くと、対岸から声が掛かってようやく今日のトップに追い着く。多少手前から湯殿山の南東尾根に取り付いてしまったが、左側の雪庇を嫌って右から回り込むと樹林帯の尾根上に立つ事が出来た。

 それにしても膝下のラッセルは意外に深く重く、先週の姥ヶ岳と比べると膝に負担が掛かり中々スピードは出ない。ようやくトップをバトンタッチして先頭に出ると、後には塹壕のようなラッセル跡が残る。雪は底が抜けたように沈み込み、坪足ならば腰まで沈んでしまいそうな雰囲気で、急な斜面となるとシールも効かないので横に逃げる。


石跳川から湯殿山南東尾根へ 石跳川から湯殿山南東尾根へ
森林限界を過ぎて尾根上に立つ 視界も利いてきて期待が高まる

  南東の尾根に出ると思わす叫びたくなるような光景が広がり、姥ヶ岳の西斜面が正面に対座して山頂も姿を現す。風は強そうで山頂は厳しい雰囲気があり、やはり姥ヶ岳を断念したのも仕方がない。湯殿山の山頂を目指して尾根上を辿り、次第に風も強まって視界の利かない斜面を忠実に辿って頂上を目指す。

 山頂に辿りつく頃には殆ど視界はなく、今度もGPSのお世話になって下降を開始し、遠近感の無い斜面のトレースを慎重に下りて行き、ようやくショートターンで刻んで降りて行く。あまり快適とは言えないが。

 やや下ると南斜面には先週と同じ後続のイトケンさん達が小休止中で、どうやら南面のピットチェックを行って体制を整えている様だった。30cm下には弱層があるらしく、今ひとつ不安な雰囲気もあるがお先に失礼し、100mほど下の樹林帯までの南面に飛び込んでみる。

 パウダー斜面の下にはやや弱い層がサンドイッチ状にあり、やや堅い2つの層の斜面はトップが引っかかり易くて手強い。しかし、山スキーのTさんは余りものともしない様子で、リズミカルにターンを刻んで快適パウダーランで降りて行く。同じポケロケ仲間の山スキーで長さまで165.0cmとは奇遇。

 後から続いたテレマークの皆さんも意外と苦戦模様で、ズブズブの深雪に足をとられて調子は今ひとつという雰囲気。アルペンの板はある程度ごまかしも利くが、テレマークではそれも難しい雰囲気の模様。

山頂も姿を見せて良い雰囲気だが 一瞬だけ姥ヶ岳山頂が姿を現す
南面のDパウダーはやや雪が重い 南面を上り返して東斜面へ
 
 南東尾根から登り返して再び尾根上に立ち、今度は東斜面を覗き込んで様子を伺ってみる。山頂方面は視界が無いが、石跳川までの斜面の視界はあるのでいけそうな様子。山頂から下がった東斜面はいくらか傾斜が落ちており、試しにトラバースで入り込んで斜面の雪の様子を伺う。ピットチェックは行わなかったが、斜面に余り違和感を感じる事も無く、尾根筋をテスト斜滑降して感触を確める。

 吹き溜まりの少ない斜面を選んで下降してターンを刻み、後は続く急な斜面に飛び込んでスピードを上げる。一旦立ち止まって後続を迎え、後はそまま先行してもらってルンゼ方向に降りて行く。ジャンプターン気味の力強い滑りは安定感があり、斜面の基部まで滑り降りてもらってから自分も後を追う。

 途中の縦溝が露出したアイスバーンには少し焦ったが、適当にスピードをコントロールしながら石跳川を目指す。どうやら年始に集中的な降雪があった様で、東沢下部にはやや規模の大きいデブリが伺え、下の大きな風紋が風の強さを物語っている。また、東斜面には雨で流された模様で縦溝が出来て、強い風で雪が飛ばされた様でアスバーンが露出している。


東斜面の尾根筋を下降する 石跳川には立派なトレースが続いてラクチン下降

 上部で東斜面を伺っていた後続を待っていたが結局姿を現す事は無く、突然姥ヶ岳の西斜面方向から一人のテレマーカーが降りてくる。再び東斜面を登り返してもう1本決める様だ。

 石跳川で小休止した後は間もなく下降を開始し、すっかり高速道路のような塹壕トレースを快適に下り、後は滑りの良い石跳川を一気に下って志津に到着する。どうやら東斜面の深い箇所に弱層が確認され、イトケンさん達は往路の南東尾根を戻って志津に下降した模様だった。

 今日は先週の姥ヶ岳斜面ほどのドライパウダーではなかったが、月山特有の手強い雪に鍛えられた様な気もする。南東北の悪雪を克服する事はj実に難しいが、ハードルが高いだけに面白味もあり、飽きずに追い求め続けるのも楽しみの一つかも知れない。
姥ヶ岳や湯殿山の東斜面には十分な積雪があり、気温の下がった晴天の日を狙えばチャンスは広がるでしょう。

  


湯殿山 石跳川周辺 MAP