月山 仙人沢下降



姥沢から月山の頂上を目指す。



【期日】     H16年4月29日
【メンバー】   単独
【行程】     姥沢(8:50)〜金姥〜月山(10:45)〜姥ヶ岳(12:10)〜金姥〜仙人沢〜湯殿山神社(14:10)〜金姥(16:05)〜姥沢(16:20)
【天候】     晴れ

【概要】

 4月10日の月山〜肘折ツアーは西川山岳会の会山行に同行させていただき、楽しくそして素晴らしいツアーを満喫させていただいた。2日間の好天にも恵まれ、さすがに噂どうりの素晴らしいコースで、東北を代表するクラッシクコースといえる満足度120パーセントのスキー山行を堪能する事が出来た。そしてにぎやかなパーティーにつき物の大宴会も楽しく、ついつい酒が進んで大盛り上がりとなって楽しいひと時であった。そんな事で月山のイメージが大変良かったので、今度は一人で気ままに歩いて滑って遊んでみようかと思い、月山行きを計画して一人で姥沢までやって来た。当初の予定では姥沢から月山山頂に立ち、その後姥ヶ岳から湯殿山を登って最後に石跳沢を下って志津に下る、オーソドックスなコースであった。

 朝はすっかり寝坊をしてしまい仙台を出発したのは6:30AMで、姥沢小屋をスタートしたのは8:50AMになっていた。急いで身支度を整え、リフトに乗って終点から月山方面に歩き出すと、前方はるか先の斜面に2人の登山者の姿が見れるが、姥ヶ岳方面に向かうスキーヤーを除けば殆ど人がいない状況。前回4月10日の月山〜肘折コースツアーから19日間も経過しているが、その後雪が降ったらしく積雪量は以前と殆ど変わっていなかった。しかし昨日、今日は少し気温が高いのか、斜面が固く氷化してバリバリで堅く、所々シール登高だけでは滑ってしまうような状態で、迷わずスキーアイゼンを装着する。

  
     品倉尾根方面の斜面              スキーアイゼンでもちょっと辛い固い斜面

 やがて先行するアイゼン歩行の2人パーティーに紫灯森辺りで追い着き、そのまま牛首を経て月山頂上に至る斜面の登りに取り掛かる。斜面は固くクラストしており、スキーアイゼンの爪が食い込んでもスリップはしないが、所々エッジの後が付かないくらいの堅さで登りにくい。3月29日の月山〜肘折温泉の山行と同等、いやそれ以上に冬山らしい雰囲気。直登は無理なので大きく右側にトラバースし、クラストしたブッシュ混じりの斜面をジグザグ登高し、頂上に至るコースに戻りやがて山頂の小屋に到着する。続いて登ってきた2人パーテーと、単独行者1名で静かな雰囲気だが頂上付近は大変風が強い。当初西面に食い込んだ沢の適当な斜面を1本滑る予定だったが、稜線上を歩くのも辛い状況なので今日はあっさり断念する。

 大休止の後シールを外して滑降の体制を整え滑り始める。直下の斜面は1箇所だけスキーを脱いで下降したが、その後はクラストした広大な斜面をエッジを効かせながら飛ばして降りてゆく。下って見ると20人程の登山者、スキーヤーが頂上を目指し、次々に登って来る。今日は固い斜面でスキーが良く走り、その20mほどの傍をノンストップで飛ばして行くとあっという間に紫灯森付近に到着する。ここから先はツボ足になって、ポチ紐を取り出し板を引きずって姥ヶ岳を目指す。頂上に着いてみると多くのスキーヤーがのんびりムードで休憩中で、自分もザックから缶ビールを取り出して憩いの一時を過ごす。

  
 湯殿山の頂上は厳冬期の雰囲気              湯殿山の魅力的な斜面

 当初の予定ではオーソドックスに姥ヶ岳から湯殿山に登り、石跳川を滑降して志津温泉に至定番コースだったが、今日はまだ時間的な余裕もあるのであまり聞かない仙人沢を下り、湯殿山神社まで降りてみたくなった。降りれば金姥まで高度差600mの登り返しが待ているが、それも良しとして早速下降に取り掛かる。下り始めると4〜5人の今日滑ったスプールが付いている。姥ヶ岳から金姥まで滑り降りてから仙人沢源頭の緩斜面を降り、狭いルンゼ状の斜面から仙人沢の左岸に降りる広い斜面を降りる。さらに降りてゆくと下の湯殿山神社からスピーカーの音が聞こえ、すっかり観光地のど真ん中に辿り着いたことに気が付いた。神社手前で大きな砂防ダムが出てくるが、すっかり雪が解けているので20mほど上り返し、右岸にトラバースしてから下って神社の駐車場にたどり着いて終了する。

 小休止の後観光客の多い湯殿山神社を後のし、くたびれて来た体に鞭を打って下降点の金姥までの沢を詰める。天候は安定しているので焦ることもないのだが、さすがに体力の低下は認めざるを得ない感じでちょっと辛い。最後の緩斜面はなかなか遠く感じてなかなかコルが近づかなく、最後はヘロヘロに近い状態で金姥まで登り返した。既にすっかり日は陰り、既に廻りに誰もいない大斜面をトラバースしてリフト終了点に滑り込む。後はスキーでガタガタに荒れた斜面を降りてゆくと、終了点の姥沢に到着した。

  
仙人沢への下降点                  緩い斜面が湯殿山神社まで続く    


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