吾妻連峰 若女平コース (西吾妻山 2035m)
雪は少し重いがこの時期では止む無し
【日時】 平成17年3月3日(日)
【山域】 吾妻連峰
【コース】 天元台ゲレンデトップ9:15〜梵天岩10:15〜西吾妻小屋11:40 12:30〜天元台
15:10
【メンバー】 坂野 渡邊
【天候】 風雪のち晴れ
4月に入りようやく天候が安定してきたと思ったが、肝心の日曜日になると間の悪い事に寒冷前線が東北地方を横切る気圧配置。高速を飛ばして白布温泉についた頃までは晴れていたが、ロープウェイで上がった頃から天候不良となり、上部稜線は雲に覆われて視界は効かない。どうも今シーズンは最後までこのパターンの繰り返しで、もういい加減にしてくれと言いたい所だがどうにもならない。
同じ若女平コースを予定している6人パーティーとは別に何時もの斜面を登り始めたが、出だしはクラストしていてクトーなしのポケロケでは分が悪く、シンテシにクトー装備の渡邊さんは断然に有利な状況。稜線に上がると風が強まり視界はなおいっそう効かなくなるが、慎重に地図とコンパスで方位を確認して梵天岩を目指して進んでゆく。先日には好天で多くのスキーヤーで賑わったように思えるが、今日はトレースも殆ど消えた所々クラストした斜面が続いている。しかし風雪の中でも何時ものような寒さも無く、すっかり春めいた吾妻連峰の山スキーを実感する。
目標の梵天岩を150mほど外してしまったが、5分ほど歩き回ってすぐ確認できた。この先は益々視界が効かなくなり、ホワイトアウトの状態で右も左も下りも登りも解らない状態。一旦少し下ってから西吾妻山の緩い西斜面を2000mの高度を保ってトラバースし、何回も方位を確認しながら周囲を探し回るがなかなか小屋は発見できない。ここで小休止をして様子を確認するが、いっこうに視界が開ける様子がない。しかし地図、コンパス、それに高度計さえ持っていれば心強い。もう一度気を取り直して辺りを探してみると、案の定150mほどの距離に西吾妻小屋が現れた。小屋には先客は無くひっそりとしていたが、早速ビールを取り出して早くも反省会を始めるが何時になくビールがぬるい。やがて遅れて来た6人パーティーとスノーボーダー3人、他2人と急に賑やかになって来た。
西吾妻小屋からの出だしも視界不良 ようやく視界が開け若女平が見えてくる
一番に小屋を出発して若女平を目指し、視界の効かない樹林帯の沢筋を下るとようやく若女平が視界に飛び込んでくる。もう迷う事は無いので後はすべりを楽しむだけだがやや雪が重い。今日は今季最後の出番となりそうなポケロケだが、このような雪質でも快適にスキーを廻す事が出来、起伏のある狭い沢筋の樹林帯を気分良く下降してゆく。途中からは後から降りてきたパーティーに先頭を譲り、のんびりとほぼ沢筋どうりに降りてゆくと、今度はスピードに乗ったスノーボーダーに追い抜かれてしまう。すると1名が割れた沢の滝壷に落ちてしまって1人が救出している様子。何とか2m程の穴から這い出ることは出来たが、水深が1m程あるので腰辺りまで濡れてしまった様で本人にとってはとんだ災難。パーティーで行動していたので良かったが、単独だったら脱出するのは容易な事ではない。
若女平で小休止した後は狭い雪庇の出たやせ尾根を通過し、杉の植林地を滑り込んで尾根間末端の急な片斜面の雪壁に差し掛かる。ここはクラストしていると嫌らしいが、今日の様なグサグサの重い雪でも疲れが出てきた頃なので下りにくい。最後の狭くて急な杉の植林地に四苦八苦しながら我慢の滑りを続け、ようやくゴール地点に至る沢に降り立つと思わずほっとする。
今年の雪の多さを物語る狭い尾根 重く柔らかい雪もくたびれる
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