吾妻連峰 大沢コース

快晴の中快適な斜面を下る


【期日】   平成15年3月23日(日)  
【メンバー】 柴田 荒井 坂野
【天候】   快晴
【行程】
       第3リフト終点9:10〜人形石9:40〜藤十郎10:20〜東大顛11:20 12:00〜明月荘
       12:15〜大沢部落14:45

【概要】

 今回は2週間前悪天候での為人形石で断念した大沢下りのリターンマッチであるが、今度の面子は天童からやって来た柴田氏を新たに加え3人となる。今週は東日本全体が移動性高気圧にすっぽり覆われ、昨日から快晴無風の晴天が続き、今シーズンでは最も条件のよい日となった。

 今日は天元台から奥羽本線の大沢駅まで下る全長23キロのロングコース。最初に大沢部落にジムニーをデポし、その後30分かけて天元台スキー場の駐車場に移動し、身支度を整えてロープウェーに乗り込む。いつものようにリフトを3本乗り継いで、第3リフトの終点にたどり着いたのはもう既に9:10を過ぎていたが、既に5〜6人の先客がいて人形石方面に向かおうとしている様子。吾妻山での最もメジャーなコースだけに、すでに何人かが出発した後のようだった。

 人形石方面にはしっかりと踏み固められたトレースが着いており、左方向に斜面を登って行くと30分ほどで人形石に到着する。今日は遠くまで見渡せるので迷うことがなく、何も心配がない。快晴のもとで大雪原を歩くのは実に久しぶりで、大沢下り2回目でも来て本当に良かったと思える。人形石からは大きく展望が開け、飯豊 朝日 蔵王 月山 磐梯山、そしてはるか南には合津 越後方面まで見渡すことができるので、手当たり次第に写真を取りまくる。

   


人形石から東大巓方面                  東大巓のピークを目指して 

 ここでのんびりしていると、どこか昔に聴いた様な声がしたので振り返ってみるとなんと山想会の黒沢氏であった。もう20年以上も会っていないが、すぐそれと分る声と風貌なのでなんだか久しぶりに会ったような気がしない。聞いてみると4人パーティーで来ているが、1人行方がわからずあちこち探しているようだが、行き先はわれわれと同じ大沢コースということで、とりあえず我々が先行して先を行くことにする。ここ人形石でシールを外す人が多いようだが斜面の雪の状態も良いので、この先東大顛の登りを考慮してシールは付けたままで出発する。主稜線からの展望は実に素晴らしく、先を急ぐのは何かもったいない気分にも感じる。藤十郎を過ぎたあたりまでは快適な斜面が続き、雪の状態が良いのか今回では最も気分の良い滑降となる。

 東大顛までは似たような大雪原の中を黙々と歩いた。途中で明月荘に至る分岐点にさしかかるが、藤十郎のピークを踏んでおきたいのでそのまま直登する。頂上付近は平らな樹氷原地帯で、どこ頂上が有るのか判りにくいが、先行する荒井君の姿が見えて頂上が確認された。毎度の事だが荒井君の体力とスピードには全く付いてゆけず、いつも後を追うのが精一杯で余裕がない。頂上で大休止して腹ごしらえをした後、大沢部落目指して滑り込むためシールをはずす。

 頂上からなだらかな斜面を滑ってゆくと、雪原の中にポツンと建っている明月荘が見えた。これでは吹雪かれたらなかなか見つける事は出来ないだろうと思う。小屋では4人パーティーが休憩していたが、トラバースルートを行った黒沢パーティーの姿はなく、そのまま大沢下りの標識が出ている通りに下降を続ける。通称クジラの背中と呼ばれる緩やかな大斜面を下り、無木立の快適な斜面を下ってゆく。しかしだんだん傾斜も急になり、コースも狭くなってくるとなかなか快適な滑降とは行かず、行く先では転んでは立ち上がりの連続が続いた。雪質はパウダースノーとは程遠く、重い湿雪気味のいわゆる悪雪である。急斜面ではほとんど横滑り、キックターンの連続でくたびれ

  

  東大顛から明月荘への斜面                    クジラの背中の滑降

 尾根筋をまっすぐ滑り急斜面を悪戦苦闘しながら降りてゆくと、やがて林道らしきコースにたどり着き、ようやくゆったりした気分になる。今回は砂盛を巻いたので登り返しもなく、そのまま後半の暖斜面が続いており、雪の量も豊富でスキーの滑りも良く、快適な滑降が連続して気分が良い。適当に漕いだりしながら快調なペースで林道を滑り、やがて麓の牧場にたどり着いた。牧場では7〜8台のスノーモービルが走っていて、そこらじゅうに走りまくった跡があった。まだ牧場まで除雪はされておらず、林道はスキーを履いたままの滑りをただひたすら続ける。大沢部落までは程よいゆるい傾斜が連続し、ほとんど滑りっぱなしで終点までたどり着くことができる。

 今日のコースはなかなかのロングコースだが、雪の量も豊富でまたスキーの滑りも良く、滑ってみるとあまり距離感も感じさせず、実に快適の一語に尽きる。しいて不満なところと言えば、あまりにもメジャールートの為に人が多すぎ、そこらじゅうシュプールだらけでゲレンデスキー場のような雰囲気さえある点だ。

  

  人形石への登り                人形石から藤十郎への下り斜面   

  

  藤十郎への斜面                      東大顛山頂を目指す

  

  藤十郎から西吾妻方面を見る             東大顛山頂でシールを外す

  

 ひっそりとした明月荘                                       快適な緩斜面

  

急で雪も深い斜面                    牧場から大沢部落を目指

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