南面白山 お気軽登山


             
                   面白山スキー場と月山 葉山 鳥海山方面

 【日時】    平成17年1月29日(土)
 【山域】    二口山塊

 【コース】   面白山スキー場9:30〜南面白山11:20〜面白山スキー場12:10
 【メンバー】  単独
 【天候】    晴れ

        

 今日は最近ご無沙汰ばかりのゲレンデスキー面白山スキー場は電車でしか行けない珍しいスキー場で、仙台界隈では宮城蔵王スキー場 泉ヶ岳スキー場と並んで最も歴史のある所。山形県側に位置するスキー場だが、その多くは仙台方面からのお客さんで占められており、ファミリー 学生 社会人からアルペン競技を目指す若者まで、果ては自衛隊様まで実に幅の広い客層で賑わう人気のゲレンデだった。

 しかしその後雫石、安比を始めとする大手ディベロッパーが開発した、大規模で設備の豪華なスキー場に若者が集まり、バブリーな時期に近くにもスキー場が次々にオープンし、車で乗り入れが出来ないこのゲレンデは次第に客足が遠のいていった。昨年になって運営する会社が不渡りを出して今期の存続が危ぶまれたが、地元の存続運動の甲斐有って何とか今年はオープンにこぎつけた。

 4軒あったロッジも今期から1店が閉店し今や2軒のみ。休日でも人はまばらで寂しい雰囲気が漂う。しかし全体的にコースの幅が広く斜面が連続し、北斜面で雪質にも恵まれていてスキー場としては大変に素晴らしい。コースが繋がらず狭く短い片斜面、ゴンドラは強風で止まるとしばらく動かず1日券を買った人が不満を漏らし、今時しっかり関東値段の駐車料金を取られる宮城蔵王の某スキー場とはえらい違い。ビンボーで山形蔵王に行けなかった我々にとっては、ここでスキーの面白さを知った馴染み深いお気に入りだった。

   
      ポケロケもここまででお役御免           頂上直下はなかなかのパウダー斜面

 リフト始発から上部の斜面で何本か滑り、ゲレンデスキーにも少し飽きてきた頃の9:30、シールを貼ってようやく出発。ルートは頂上から北東に派生する短い尾根だが、中間部が狭く急な雪壁になっており、ジグザク登高のポケロケも早々とここでお役目御免となってしまう。ここから先は地図とコンパスだけもってザックもデポ。50mほどの急な斜面は久しぶりに両手、両足を使っての雪壁登りだが、最近の好天で雪は締まっていて快適なキックステップで乗り越してゆく。樹林帯の傾斜の落ちた斜面をトボトボ歩いてゆくと視界が開け、頂上に至るパウダー斜面を詰めて行く。スキーを担いでくれば良かったと後悔しながらそのままの登ってゆくと、左手に見覚えのある大東岳の山頂が目に飛び込んでくる。

   
          大東岳の山頂方面                北は二口 船形山 泉ヶ岳方面

 頂上に立ってみると西側の山形方面は何も遮る物は無く、飯豊 朝日 月山 葉山はもちろん、この時期は月に2回程しか姿を見せないと言われる鳥海山もくっきり見ることが出来る。こんな2時間弱の距離でこの素晴らしい展望を味わう事が出来るとは、ついでに登った山にしては満足度大。30年ほど前の3月に蔵王と二口山塊をまとめてスキー全山縦走したが、その時はこんなパノラマを楽しむ余裕など無くて感動したという記憶など無かったが、今やそれは歳相応と言うべきか。

 下りはおよそ30分でリフト終了点に帰着したが、天候不良の時は少し注意を要する。頂上直下の下りで尾根を見失ってしまうと北面、西面の急な樹林帯の雪壁に入ってしまい、そこからの退却はやっかいのようだ。25年ほど前の冬に大学WV部が合宿で遭難騒ぎを起こし、こんな場所で捜索隊が入ったという記憶がある。スキー場から見ると南面白山の頂上が余りにも近く見えるため、不用意に入った登山者がトラブルを起こすことがたまに有ると聞く。下に戻ると昨年で閉店したはずのカモシカロッジのオーナー氏に誘われ、店内では仲間とビールサーバー空け放題というおまけ付きで、帰る頃には皆が撃沈状態という有様。普段はロッジで殆ど金を使う事もなく、1日券など用の無い貢献度の極めて低い山屋ですが、是非今後も頑張って存続してして欲しいと願う次第です。