中央蔵王 丸山沢スキー滑降




丸山沢中間部の斜面


日程】      H15429()
【メンバー】    単独
【天候】      快晴
【行程】      賽の河原810〜カモシカ温泉跡〜丸山沢〜熊野避難小屋1210スタート1310 カモシカ温泉跡1320〜賽の河原1415

【概要】

 5月の連休前になると蔵王エコーラインの除雪も終わり、開通と同時に多くの観光客がやって来てにぎやかになる。移動性高気圧に覆われて晴天が続くある日、滑降コースとしては昔から有名で、蔵王では最も人気の高いクラッシックコースの丸山沢に出かける。今シーズンは5回蔵王にスキーにやって来たが、今日は最後を締めくくるコースとして後まで取っておいた丸山沢だ。

 賽の河原でスキーのシールを取り付けて出発の準備をしていた所、いかにもバックカントリースキーヤーという雰囲気の男女の二人連れが先行してゆく。最新モデルのスキー板、ビンディング、兼用靴、ウエアーそれにスコップ、ピッケル、おまけにヘルメット姿というスタイルで決めている。とにかく絵になる姿はまるで歩くスキー道具カタログとでも言うか、こちらが何か圧倒されそうな雰囲気さえもっている。ひよどり越えを下り澄川を渡ると、この2人連れは丸山沢方面には向かわず、振子沢と丸山沢の間の尾根に広がる急な雪の斜面を登っていった。

         

        振子沢と丸山沢の間の斜面              丸山沢最初の急斜面

 カモシカ温泉跡はかろうじて土台だけが残っているが、草木が生えて昔の面影は殆ど残ってはいなく、何か寂しい雰囲気が漂っていた。ここでスキーを履いてシールを効かせながら登り、先行していた一人の登山者を追い抜き、急な雪壁をジグザグ登高で越えてゆく。途中で1箇所だけクレバスが出てきたが、なんなくスキーを履いたまま通過してゆく。ここから上部は視界が開け、緩やかな斜面が広がり、その上部は再び両側が狭まって、上部は最後の関門のようなV字状をなしている。

 最も狭い部分は幅約5mほどの雪渓で、下部は雪解けで横に亀裂が入っており、急な斜面な斜面になっている。どうやら今シーズンの丸山沢の快適な滑りはラストチャンスなのか、まもなく雪渓が崩壊して滝が露出しそうな状態だった。この急な斜面ではシールの効きが悪く、どうしてもスキー板が横滑りしてしまい、サイドをストックで抑えながら乗り越えてゆく。ここから先は大きく視界が開け、最後に漏斗状の雪壁を経て登高ルートは熊野岳避難小屋方面に続いていた。

         

          静かな丸山沢には他に1人の登山者のみ      亀裂の入った急な斜面を行く

 熊野避難小屋には予想外に登山者の姿は無く、一人で缶ビールを空けながらゆったりとした時間のひと時を楽しむ。外を覗いてみると、馬の背の稜線を歩いている2人以外登山者は見当たらず、この晴天に恵まれた日にもかかわらず、山頂付近は意外と静けさを保っていた。

 今日は雪の斜面も程よく締まっており、滑りには何の不安も感じないので、一気にカモシカ温泉跡まで一気に滑り降りる事にする。最初の緩斜面を過ぎ、漏斗状の斜面を連続ターンで滑り込み、V字状の関門から亀裂の入った狭い急な雪壁をクリアーし、一旦ここで一息ついて下部のカール上の斜面を良く観察する。比較的良く締まった雪のためエッジの効きも良く、急な斜面を選んでも快適な滑降を楽しむことが出来る。積雪期には滝の喉のような急な狭い斜面になっているが、夏には滝の連続した沢登りのルートのようだ。

 急な広い斜面と緩謝面、喉のように狭い部分とカール上の雪壁。丸山沢は短いながらも変化にとんだ地形の為、単調な一枚バーンの斜面と異なり、滑降コースとしては充分に楽しめる好ルートと言える。カモシカ温泉跡までは滑り始めるとあっという間に到着してしまう。後はひよどり越の急な登りが待っている。

         

              連続した斜面を一気に滑り降りる             多くのスキーヤーが訪れている丸山沢

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