朝日連峰 石見堂岳〜北尾根下降 山スキー 2010.03.28


    

      朝日連峰 石見堂岳 北尾根を下降。

     

 山 域  朝日連峰 石見堂岳〜北尾根下降
 山行日時  2010.年3月28日(日) アルバム (フォト蔵)
 天 候  曇り  気温 -3.0℃ (北尾根下降時)  
 メンバー  11名 
 行 程  8:30 桧原の取り付き〜10:26雪庇の崩落跡〜ブ11:15〜ブナ林の急斜面〜12:14石見堂岳〜980mピーク〜15:48 国道112号線駐車場




 
【概要】

石見堂岳は2月の山行に続いて今季2回目の訪問となる。今回は西川山岳会毎年恒例の『大井沢の豆腐を食う会』に参加の後、スキー班の10名に加えてもらっての山行だった。会は何時もの様に盛り上がり、結局は何時頃寝たのか覚えていないが、翌朝は西川山岳会名物の引っ張りうどんで朝の腹を満たし、元気いっぱいで取り付き点の桧原の橋に向かった。


予定は桧原から尾根の末端に取り付き、石見堂岳の山頂に立ってから北に伸びる多少アップダウンのある尾根を下降し、980mのピークを通過してからは見事なブナの疎林帯を経由し、最後には国道112号線の駐車場に至るコースだ。

大井沢のゆったり館で身支度を整え、下山地点への車を廻す為の回収班に先行してもらい、残りは桧原の橋を渡った先の道路わきに車を止め出発の準備に取り掛かる。末端からそのまま取り付いてしまうと急峻で登り辛い為、200mほど先に進んだ沢筋の斜面から取り付き、弱点を探しながら細かくジグを切って登る。

しかし、ちょっと油断すると押し出された様なブロックに阻まれ、右に左に逃げながら斜面を選んで登って行く。気温は比較的低かったがやがて暑くなり、ジャケットを脱いでさらに尾根上を目指す。積雪は10cm程度だが下は黄色いザラメ雪で、意外とシールは効いてくれるので登り易い。
 

石見堂岳への取り付きは何処を選んでも急峻 雪庇の崩落跡を注意深く進む

視界は今ひとつだが風が無いだけ有り難い 素晴らしい急なパウダー斜面を越えて行く

ようやく尾根上に立つとその先は狭い尾根が続き、やがて右に雪庇が出てきて歩き易くなる。2月の末に訪れた時と比べてブッシュが目立ち、最近の好天で雪解けが一気に進んだ様子が伺える。間もなくすると右に雪庇の崩跡が登場し、左の樹林帯とのコンタクトラインを慎重に進み、やや広くなった尾根上の肩で小休止とする。

朝の青空はいつの間にか姿を消して天候は下り気味だが、幸い風は無いので昨日の様な荒れ模様とは異なり、やはり柔らかい春の面影が漂う日にも思える。その先の広い急斜面は見事なブナの疎林帯となっており、時間と体力の余裕があれば一度登り帰し覚悟の素晴らしいパウダーランコースになる。2月の末に滑った時には最高のDパウのツリーランだった。残念ながら視界は今ひとつで月山・湯殿山は姿を現さないが、上部になると軽い雪は深まって3月としては恵まれ条件に思える。

急斜面を上りきってから緩やかな尾根を通過し、2月に雪崩に遭遇した無木立の斜面は右から巻いて斜面をトラバースし、ピークを右に巻いて鞍部に立ってから最後の山頂を目指す。傾斜の緩い広い無木立斜面を登り切ると山頂はすぐそこで、象徴的な石のモニュメントが突然出てきて山頂着となる。


山頂直下の斜面 ようやくたどり着いた石見堂岳は視界が今ひとつ
北尾根の下降は小アップダウンが続く 視界が利いて来ると楽しさは倍増だが

山頂でランチタイムを過ごした後は視界がやや不良となり、出だしの分かりにくい北尾根へのコース取りはGPS頼りとなる。しかし、なぜかトップは右よりのコースを進んでしまい、左にトラバースして戻りながらGPSのトラックへと修正する。余りGPSを当てにする事に異論も有るが、誤ってコースを外すとすっかり下り過ぎという事も多い。失敗せず無駄な時間を浪費する事無く行動が出来る為、ワンチャンスを生かす山スキーでは時間との勝負の為、確実に下降できるメリットの方が大きい。

昨日の降雪で北尾根には20cm程の新雪が載り、軽いパウダーはスキーも廻し易く快適で、誰もがこの素晴らしい感触には満足のご様子。3月としてはかなり恵まれた軽い新雪で、今シーズン最後のパウダーランを名残惜しむ様だった。流石にまとまったスキー班の皆さんは足並みも揃い、それぞれ思い思いのスタイルでパウダーを満喫している。

 やがてこのコースでは最も魅了的な無木立の急斜面が待ち受け、我慢し切れなかった辰彦さんが先頭で飛び込んで行った。リズミカルで安定した滑りは流石のキャリアを感じさせ、つられる様にして皆さんが連続して後を追う。しかし、そこには深い落とし穴が待ち受けていた様で、深いクラックを飛び損ねて板を落としてしまうメンバーもいた。

足並みのそろったメンバーは滑りも良し 980mの三角ピークを越えて最後のツリーランへ
疲れて寝ている訳では有りません。頭が下です。 急峻な雪壁にシールを利かせる。誰か一人遊んでいる人が・・・。

このコースの最後に出て来る980mの三角ピーク下は急な斜面だが、狭い斜面にしっかりシールを利かせて登り、意外と余り苦労も無くピークに立つ事が出来る。しかし、スキーに掛けてはメンバーNo1の実力の持ち主のS氏だが、急斜面に足を取られて撃沈と言う珍事のオマケが付く。「××も○から落ちる」という構図ですか?

三角ピークに立った後にシールを剥がして体制を整え、広くて見事なブナの疎林帯のパウダーランコースを降りて行く。間もなくコースは右に折れた尾根を辿り、多少のアップダウンを繰り返すと国道112号線が現れ、やや解りにくい尾根を選んで降りるとゴールが待っていた。

980mのピークから先はブナの疎林帯コース 最後の尾根を下ると行動112号線の駐車場へ
 

朝日連峰 石見堂岳周辺 MAP

あまり正確では有りませんので念の為