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支流より左岸の尾根に取り付くとこの通り |
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我慢のモンキーラッセルの後は尾根上を前進 |
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スキーをデポしてピッケル&アイゼンの世界へ |
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吹き溜まりの斜面は膝下ほどのラッセル |
ここでスキーの出番は終了してピッケル&アイゼンの世界となるが、この古びたウッドシャフトピッケルを握るには何年ぶりか?もしかするとヒマラヤ遠征直後以来23年ぶりか?何かファイナルキャンプから頂上アタックを掛けるような、風雪でもすがすがしい緊張感で期待が膨らむ。出だしは急斜面で膝下ほどのラッセルだが、まもなく岩場混じりで八ヶ岳のような雰囲気の登高となる。
次第に風雪が強まって視界も不良となり、大きな岩の基部で小休止して行動食を取る。山頂はガスに覆われて姿を現さず、コース両側に張りめぐらされた細いロープが道しるべとなる。先行の2人はプラブーツだが自分は兼用靴の為、どうも調子が今ひとつ上がらずに次第に遅れて行く。今日はベストを着込み、ウール手袋に新品のゴアミトンのフル装備の為か冷たさは感じず、ペースは遅いが快適な登りで調子は良い。
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風雪を避けて小休止 |
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次第に斜面もクラストしてくる |
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風雪も強まって視界も不良 |
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山頂は厳冬期らしい雰囲気 |
ただモクモクと進んで行くと視界不良の中突然山頂の祠が現れ、ようやく今回の目標をクリアーしてほっとする。実は夏冬を通じて早池峰山を訪れるのは今回が初めてで、風雪の中元旦登頂できた事は価値有る1日と言える。中々訪れる機会が無かっただけに、早池峰山行のきっかけが出来て何か嬉しい。
登頂してしまえば速やかに下降するのみで、コンパスをスキーのデポ地点方向に合わせて下り始める。新雪の下はややモナカぽい雪で歩き難いが、すぐにスキーのデポ地点に戻って登ってきた沢を滑リ出す。しかし、何時に無くプラブーツにジルベレッタ使用の二人は苦戦模様で、あのパワフル&テクニカルなテレマーカー氏も屈辱的な滑りの模様。距離は短いが後傾ぎみのショートタンで浮力に乗ると調子が上がり、今回唯一のパウダーランを楽しみながらどんどん下降して行く。堰堤付近からは夏道をどんどん飛ばしてスピードを上げ、河原坊からは林道を快適なクルージングでうすゆき山荘に帰着した。小屋には早池峰山頂を目指す東京の単独行の方がおり、共に沢登り・山スキーの話で盛り上がった。
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山頂からは速やかに下降 |
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支流の斜面には古いデブリの跡 |
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河原j坊から小田越えへの林道 |
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小田越え方薬師岳の分岐 |
1月2日(水)
単独行の方は早池峰山を目指して先発してして行った。早池峰山の山頂に立ってすっかり油断してしまい、もう下山と思って朝から軽く一杯やっていると、今から薬師岳を登るという話になって慌ててしまう。まだ出来上がっている訳では無いが、今からとなると気が重くなって体がついて行かない。先行した2人の後をトボトボ付いて行くとやがて小田越に到着し、薬師岳コース入り口の木陰で小休止を取る。小田越から見る薬師岳の山頂はガスに覆われ、意外と濃い樹林帯では積雪が中途半端で進路が解り難い。
出発すると枝は垂れ下がってまもなく夏道は不明瞭になり、狭い樹林帯を避けるように右に追いやられ、頂上するにも右に左に蛇行を重ねて高度は上がらない。次第に潅木帯になると頭から突っ込むようで、左右共に行く手を阻まれて小休止。雪の下は深い空洞になって落ちると厄介で進退窮まる。ガスの切れ目から見える山頂方面はまだ遠く、協議の結果は潔く退却となり、シールも着けたままでのUターンとなる。予想外の敗退山行は残念だったが、初めての早池峰山登頂と快適至極の小屋暮らしには満足で、結局は全て帳消しになって満足の正月山行となった。うすゆき山荘に戻り、後は下り一方の林道を一気に下って岳集落に帰着した。
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猛烈な潅木帯に行く手を阻まれる |
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退却の跡はパウダーを頂く |