月山 山頂東斜面(大雪城) 2010.12
月山山頂東斜面のパウダーラン
山 域 |
月山 (1979.5m) |
山行日時 |
2010年12月19日(日) |
天 候 |
晴れ +1.0℃ (山頂) |
メンバー |
田森 荒井 坂野 |
行 程 |
志津6:58〜姥沢8:10〜上リフト駅9:24〜月山11:52〜東斜面〜下降開始12:30〜姥沢13:25〜志津13:43 GPS積算距離 20.2km 標高差 1186.0m |
12月の月山になると晴天に恵まれることは少なく、悪天候が当たり前でうまくいって姥ヶ岳、運が悪ければリフト上駅止まりが毎年のパターンだ。その為、平日にチャンスを伺える人を別にすると、厳冬期の月山山頂はサンデースキーヤーにほとんど縁がない。つまり、山頂に立つ事自体が難しい。
シーズンインの11月の第3週の辺りにはワンチャンスがあり、山頂に立って月山山頂の東斜面のパウダーを頂くことが出来て、自分としては3年連続で初すべりの定番となっている。東斜面のパウダーは山頂に立った者だけのご褒美で、山頂にこだわる気持ちがないと中々届かない。
晴天にさえ恵まれれば技術的に難しい事はなく、まだ厳しいシュカブラも出てこないので意外と快適で、ワンチャンスさえつかめば楽しい山行となる。広大な大雪城を見下ろしながらのファーストトラックは壮観で、月山を独り占めしたような満足感もたまりません。
【概要】
何時もの様にネイチャーセンターの分岐に到着すると、常連さんの田森さんと荒井さんがやって来て、やや遅れてこれも常連客の阿部さんと大場さんがやって来た。テレ犬のパウダー号も元気いっぱいの様子で、出発を待ちきれない様子で狂気乱舞というところか。
いつもと違って先発を譲って跡をついて行くと、靴上位のラッセルでやや重い雪だが、馬力のあるトップは電柱下のショートカットコースを黙々と進んでゆく。主人を置いてきぼりりにいしてついて来たテレ犬だが、急斜面では犬かき四駆も雪に沈んで悪戦苦闘の様子。お前も月山の山頂を目指すのか?
姥沢に到着する頃には湯殿山・姥ヶ岳・月山が共に山頂の姿を見せ、期待した通りに青空が広がって天候は上がってきた。今日は気温もやや高めで風もなく、軽いラッセルで何とか山頂に届くだろうとの予感がする。
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姥沢を目指してモクモクと進む |
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犬かき四駆のテレ犬パウダー |
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姥沢小屋の前を通過 |
姥沢を通過してリフト上駅で一本取るつもりでいると、馬力のあるトップはそのまま進んでリフト斜面にジグを切ってゆく。自分としてはすっかり当てが外れてしまい、すぐ後を追ったが中々スピードについて行く事ができない。運悪く風邪をひいてしまって調子が上がらず、朝飯もロクに取っていないので力が出ない。
リフト上駅に到着する頃には後続の3名も到着し、休憩も取らずに先頭を行く荒井さんと田森さんの後を追って行く。後続のメンバーは東斜面のパウダー狙いで姥ヶ岳への斜面を上がって行った。今日は気温がやや高そうだが、12月としてはまれにみる晴天に恵まれ、多くのスキーヤー・ボーダーでにぎわいそうな気配だ。
眩しい姥ヶ岳の東斜面を大きくトラバースし、紫灯森のコルに到着するとその向こう側にはまた違った別世界が広がる。風も強まってここから先は厳しい厳冬期の雰囲気となるが、山屋にとっては何か心の中に火が付いたような気がして登高意欲が出てくる。このちょっとした緊張感が山スキーにとって大切な要素であり、ワンチャンスを狙う時の楽しみだ。
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昨年より積雪は少ない |
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石見堂・赤見堂方面の山並み |
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姥ヶ岳の東斜面をトラバース |
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ドンドン山頂が近づいてくる |
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紫灯森へのコースは稜線の右斜面をトラバースし、出来るだけ最短コースを狙って進んで行く。登路の南斜面の一部はややクラストとしている程度で、シールを効かせて金姥を目指して進むとどんどん山頂が近づいてくる。全体的に穏やかな山容の月山だが、このポイントだけは厳しい表情で自分でも気に入っている。
金姥で後ろを振り返ると単独の山スキーヤーが後を追ってきて、途中で先を譲ったがそのままガンガン登って行った。どうやら山岳会の現役バリバリの山屋さんの様だ。山頂に至る鍛冶小屋下のシュカブラ斜面はクラスとする事もなく、しっかりシールを効かせれば快適に登る事ができる。しかし、次第にペースは益々落ちてゆく一方で、先頭の姿はすっかり見えない。
まったく調子の上がらい体を引きずって山頂に立ってみると、トップを行った田森さんは既に東斜面を一本滑って登り返し、あとに続いた二人もすでにドロップインしていた。山頂は風が強くて寒気も厳しくなるが、目的の東斜面は広大なパウダー斜面がどこまでも続き、すっかり舞台設定は整っていた。この斜面を滑る事が出来る者は実に幸せ者だと思う。
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振り返ると厳冬期の雰囲気の尾根筋気 |
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姥ヶ岳方面には多くのスキーヤーが |
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月山の山頂は厳しい雰囲気が |
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山頂から見下ろす姥ヶ岳・湯殿山 |
すでに一本滑って登り返してきた田森さんはやる気満々の様子で、すぐさまシールを剥がしてもう一本左隣の斜面に飛び込んでいった。自分も準備を整えてパウダー斜面を伺い、ノントラックの右側の斜面を選んで飛び込んで行く。東斜面は吹き溜まりとなって十分な雪が付き、久しぶりの浮力感が新鮮に感ずる。雪は意外とやや重めだが、スピードに乗ってくるとターンのタイミングも蘇って調子は上がってくる。久しぶりにパウダーを蹴散らす感覚が心地良い。
重いファットスキーで登りには苦労したが、このパウダーを楽しむ為には正しい選択だった。そのままボトムまでどんどん滑って行きたいところだが、あまりパットしない調子では登り返しが辛くなるので、途中で切り上げて登り返しに取り掛かる。この東斜面を見下ろしていると、一度は尾根の末端まで滑り込んでみたいものだとも思う。
登り返してさっさと下降に取り掛かったところ、田森さんと単独の山スキーヤーは3度目の滑りを目論んでいる様だが、とてもお付き合いが出来ないのでパスする。鍛冶小屋跡下の斜面のシュカブラはクラストもなく、シールを剥がして共に下降する荒井さんと降りて行く。
いつもは尾根どうしの登りコースを辿るのだが、今日は尾根の南側斜面を下ってコースを選び、快適なフラット斜面でパウダーを楽しんで降りて行く。姥沢の東斜面には無数のトラックが刻まれ、多くのお客さんで大繁盛した様子が伺える。そのまま東斜面のボトムをトラバースしていると声が掛かり、気が付くとこれも常連さんの西川山岳会の皆さんだった。既に3〜4回位は東斜面を登り返した様子で、いつも足並みのそろったメンバーは今年も元気な様子。
リフト上駅までシールを張り直して登り返し、あとは沢筋コースの斜面を辿って姥沢から志津へ下るだけだった。
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月山山頂に立ってからは東斜面のパウダーを満喫 |
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標高差200mのパウダー斜面 |
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元気なスキーヤーはボトムまで |
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登り返しはちょっと辛い |
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後は下降するのみ |
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山頂下のシュカブラはまだ柔らかくて滑りやすい |
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姥ヶ岳の東斜面は大入りのゲレンデ |
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姥沢への斜面を流して志津へ下る |
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月山 志津〜姥沢〜月山 ルートMAP
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