月山 姥沢周辺〜姥ヶ岳 (1669.7m) 



リフト下の斜面上部では風雪が強まる。




 山 域  月山 姥ヶ岳 (1669.7m)
 山行日時  2006年 12月24日(日)  
 天 候  風雪 
 メンバー  荒井 坂野

 
コースタイム=志津7:00〜姥沢9:00〜リフト終点10:30 11:30〜姥ヶ岳12::00〜リフト終点〜姥沢〜志津13:35 

 2週間前と同じく志津には一番乗りだった。6:30AM頃になると除雪車が上がって来て、通行止めのバリケード付近を除雪し、続いてローター車も登場してすっかり快適な駐車場となった。世間では雪不足でスキー場などは深刻な事になっているらしいが、ここにいる限りはそんな雰囲気など感じられない。意気込んできただけに今日から高気圧が日本海に張り出し、風も少し和らい出来た雰囲気なので何か期待が持てそうに思えた。

 続いてやってきたボーダーの3人に出発に遅れをとってしまったが、まもなく追い越して自然博物館方面から石跳川沿いにコースを取る。途中用水路の小さな橋を2本越え、すぐに左岸のやや急な薮斜面に取り付くとすぐ傾斜が落ちてくる。どうやら夏の野鳥観察コースらしく、左手の周海沼の辺には立派な観察小屋が見える。斜面はまだブッシュがうるさく、何時も通いなれた宮城蔵王方面の様でやや鬱陶しい。


除雪が終了すると山屋さん?2名とボーダー3名が到着 国道の標識はやがて手が届く高さになる

 今日はノンストップで姥沢に辿り着いたが、靴下のラッセルで雪も軽いがここまで2時間を要した。姥沢に着くと吹きさらしの風が吹き付け、小屋の陰に隠れてあまり落ち着かない中でも休憩を取る。ここで無料解放されている小さな小屋でもあると助かるが、周りはゴーストタウンの雰囲気で風と雪の支配する地帯となっている。2週間前と比べて格段に雪の量が多く、何時も悪天候が当たり前の豪雪月山の面影を感じる。

 リフト乗り場からは出来れば沢沿いに進みたかったが、風雪が和らぐ様子も無く視界も利かないので、面白くないが前回同様、リフト下の鉄塔沿いにジグを切って高度を上げて行く。時々見通しが効いて姥ヶ岳の南斜面が見えるが沢も雪で埋まり、ブッシュは覗いているもの十分スキーは可能な斜面に見えた。リフト下の斜面を上がるが最近山から遠ざかったツケは大きく、トップからはどんどん引き離されてしまう。ようやく辿りついたリフトの終点は強い風が吹き付け、リフト乗り場の下に潜り込んでツェルトを被り、しばらく模様眺めの為にザックから梅酒を取り出す。

 流石に缶ビールでグビグビという雰囲気ではないが、梅酒に焼酎を足してオクタン価を上げた燃料なら体の吸収も良く、何か体も温まりそうでついついはかどってしまう。燗をつければもう言うことは無いが、そんな余裕も無いので生でゴクゴクとやる。実は梅酒は沢歩きにも欠かせない相棒で、泳ぎの続くトロ場などでは体が冷えてしまい、カロリーが高く飲みやすい梅酒はうってつけなのだ。


リフト下を辿って姥ヶ岳を目指す リフト終点では天気待ちの為プチ宴会
 
 風はやや呼吸をするようになって少し弱まって来たが、周りの景色は相変わらずで視界が10m位のホワイトアウト。正直なところあまり気乗りはしないが、前回同様に引き下がるのも癪に触るのでここはGPS頼りで姥ヶ岳へ向かう。少しづつ風は弱まって来ているので躊躇は無いが、まったく視界が効かないとすっかり方向に酔ってしまい、GPSがないとパニックに陥ることもある。

 緩やかな斜面を登り詰めると30分で到着するが、写真を取る事も無いのですぐシールを付けたままで引き返す。ただ、登りと比べるとより慎重に下らないとコースを外し易い。GPS頼りとは言いながらも、途中で打ったデポ旗を見つけた時にはほっとする。月山のようなのっぺりした地形ならばGPSのみでも良いが、地形の複雑な尾根筋などの下降は小さな液晶画面では判断し難い時がある。やはり地図とコンパスは必需品と言える。

 リフト終点に戻るとすぐにシールを外して滑降に取り掛かるが、ちょうど2人のスキーヤーが上がって来て我々の後をすぐに追って下ってきた。写真など取ってのんびりしているとあっという間に追い抜かれ、ファーストトラックはすっかりもって行かれてしまった。フカフカの雪は2週間前と比べてさらに軽い様で、コースの後半からはターンのタイミング・バランスに慣れきたのか、ショートターンでパウダーを快適に蹴散らして下りて行く。

 まだ姥沢から下の斜面はブッシュがうるさく快適とはいえず、慎重を期しながら左にトラバース気味に降りて行く。だいぶ昔の話だがブッシュに足を取られてビンディングが解放せず、右足の靭帯を痛めたいやな思い出がある。ビンディングは瞬間的な強いショックには良く反応するが、対象が柔らかいと解放せずに足を捻ってしまう事が有るので注意を要する。

 下降の途中の斜面からはスノーシューのトレース跡が多く見られ、志津に至る道路に出ると8人位のパーティーを追い抜いてどんどん下る。この時期でも団体ツアーのお客さんで賑わっている様子で、ネームバリュー抜群のここ月山も、悪天候の中でも人気の高さを物語っていた。
 
姥ヶ岳の山頂はこんな様子 視姥ヶ岳から下の西斜面は薮がらみながらパフパフ

  


月山 志津〜姥沢〜姥ヶ岳 ルートMAP