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梅花皮荘から見る丸森尾根方面 |
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尾根上から見る長者ケ原方面 |
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積雪の多さを物語る尾根 |
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丸森尾根にもまだ残雪が多い |
下降コースの斜面は比較的広いが出だしが急峻で、雨で流された斜面はガタガタして滑り難いが、内エッジを効かせながら慎重に降りてゆくと、間もなく東俣川の雪渓に降り立った。しかし、帰りの登り返しが思いやられる。
降り立った東俣川の沢幅は積雪で埋め尽くされて予想以上に広く、落石やブロックの散乱も見られず斜面も意外に荒れてはいなかった。この先は緩い斜面が続いて大変登りやしコースだが、無積雪の沢登コースでは急峻なゴルジュと深い釜が連続し、泳ぎと厳しい高巻きの連続する飯豊でも屈指の難しい沢だ。沢のエキスパートのみ入れる世界なのだ。
深い沢底から見上げると頭上は抜けるような青空で、まぶしさを増した新緑と雪渓のコントラストもあり、渓はすがすがしい空気が流れて心地よい。ひどい汗かきの自分でも額から汗が流れることもなく、久しぶりの山行にもかかわらず快適に高度を上げてゆく。
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雪庇の上を辿れば楽そうだが途中で切れる |
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杁差岳東面が雄大にそびえる。左が千代吉沢。 |
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千代吉沢〜鉾立峰に続く雪渓 |
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下降点の斜面は急峻で固い |
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下降コースを振り返る |
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東俣沢は積雪多量で沢幅が広い |
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たまに出てくるブロックの崩壊跡 |
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東俣沢は積雪多量で沢幅が広い |
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沢は荒れた様子もなく歩き易い |
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抜けるような青空がまぶしい |
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大石山手前の鞍部を目指して高度を上げる |
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頼母木山と地神山方面 |
南の大沢出会い付近を通過するが全ての滝は埋まっており、急斜面は出てこないので登高コースとしては理想的で、予想以上のペースで高度を上げて行く。沢の屈曲点には通常深いゴルジュや大滝が掛かっているが、今シーズンの多量の積雪で全て埋まってしまったのだろう。
当初の計画では千代吉沢をたどって大石山と鉾立峰の最低鞍部を通過し、あとは快適な主稜線を辿って杁差岳の山頂に立つ予定だった。しかし、知らぬ間に千代吉沢の大屈曲点を通過してそのまま進んでしまい、左岸(上から見て左側)の沢を2本見過ごしてしまった。取り付いた沢は気が付くと頼母木小屋との鞍部に突き上げており、トラバースしようとしてもブッシュが露出して阻まれる。
いい加減疲れが出てきたころに稜線に立ったが、この先山頂までは大石山と鉾立峰越えのギャップがあって失望してしまう。主稜線上は今頃当然に雪が消えて登山道が露出し、快適にスキーで頂上を目指すなどという楽しみは吹き飛んでしまった。2005年の6月に石転び沢から主稜線を歩いて杁差岳山頂に立ち、丸森尾根を1日で下った時もそうだった。このギャップの往復が堪えて後半はヘロヘロ状態だった記憶がある。
悪態をつきたくなるけれど前に進むしかなく、途切れ途切れの雪渓にスキーを引きずって高度を少しづつ上げてゆく。
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杁差岳手前の斜面を行く |
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対岸の下降点と急峻な斜面 |
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正面の雪のルンゼを右に抜けて登山道へ戻る |
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大石山と頼母木山 |
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膨大な吹き溜まりになって残った雪の斜面 |
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左奥は飯豊本山 |
後ろを振り向くと頼母木山方面に単独の登山者の姿が有ったが、その後誰一人とも出会う事のない静寂の世界が続く。ようやく山頂に達して一息つくと、まだへたくそな鳴き声を上げる鶯が出迎えてくれて、腰を落とすと時間が止まったような別の世界だった。缶ビールを開けてのんびりしていると時間が足りない。帰りの登り返しを考えると気も引き締まり、儀式的に山頂を踏んだ後はすぐ下降に取り掛かる。
コースは小屋から雪の豊富な広い大斜面を下りてゆき、千代吉沢に入ってからは登路を辿って東俣川を目指す。傾斜は比較的緩くロングターンで流して行くが、雨で流された斜面がガタガタして足に負担がかかり、疲れるので休みを入れながらのんびりと降りてゆく。
落石やブロックの崩壊などはほとんどなく、意外と広いU字型の谷底をクルージングしながらの下降となる。登り返し点には約30分で辿り着き、一息ついてから標高差380mの辛い登り返しに取り掛かる。最初からスキーアイゼンはセットしたままで、少しづつジグを切って高度を上げ、途中で水を補給してから最後の急斜面に取り掛かる。
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訪れる人も少ない杁差岳小屋 |
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中々訪れるチャンスがない杁差岳山頂 |
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最初はのんびりした広い斜面 |
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上部斜面は斜面もフラットで荒れてはいない |
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快適クルージングでどんどん下降する |
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雨で流れた斜面は滑りにくいしちょっと不快 |
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右側の沢が下降コースで左が大石山 |
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モニュメントになりそうなブロック |
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この時期としては積雪量が多い |
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雪崩で運ばれてきた木の枝が散乱する |
斜面は次第に急になってくるとキックターンが難儀になり、うっかりすると爪を外して流れ落ちそうになる。落ちると藪にあたって痛い思いをしそうで緊張する。飯豊本山の主社ノ沢への下降も急斜面だが、この時期のコースはもっと急で登りにくい。このコースの核心部はこの急斜面だったが、歩行アイゼンのほうが早いだろうしより安全だろう。
最後は10m程の藪を超えて登山道に飛び出し、あとは体力と根気だけが勝負の下降が続く。結局西俣峰に立って梅花皮山荘に帰着したのは6:00PMで、14時間行動のワンデーロングコースは終了した。
今回は登りでルートミスする失態で2時間ほど浪費してしまったが、最短距離を目指せばもっと快適な山行だったと思う。あまり余計な事は考えず千代吉沢はアプローチコースに徹し、バリエーションとして北の大沢などにチャレンジした方が面白いかもしれない。
また、このエリアは飯豊・朝日では珍しくアプローチに恵まれ、天候さえ恵まれれば3月下旬頃から山スキーの対象になる楽しみがある。暇なしサンデースキーヤーにとっては魅力的なエリアが増えたようで、今後の楽しみにとっておこう。
なお、今シーズンは下降路上部の雪の状態にもよるが、あと1〜2週間くらいはスキーで下降が可能と思われます。ただし、アプローチの尾根歩きは遅くなれば雪面を歩くことが出来ないので、板のトップが引っかかって歩き難くなるので覚悟が必要です。
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上部の急斜面には意外と苦戦うを強いられる
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斜面の登り返しは急峻で固い雪 |
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ようやく急斜面を超える |
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対座する杁差岳東面は雄大で見栄えがする
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東俣沢〜大屈曲点〜千代吉沢〜鉾立峰
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北の大沢と右の入平ノ尾根(右手)
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険悪なゴルジュや大滝は埋まって穏やかな千代吉の沢
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頼母木山から地神山 左奥は飯豊本山
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対岸1090m地点の下降路(正面の雪のルンゼ)を振り返る
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ゆったりした大斜面を下降する
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千代吉沢上部も豊富な残雪で大斜面が広がる
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久しぶりのスキーで足がきつい
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ゴールの登り返しポイントへは30分で到着 |

飯豊連峰 杁差岳周辺 MAP |