今シーズン最初の山行は御神楽岳のお誘いがかかった。確か30年位前には一度登った覚えがあるが、記憶は全くといって良いくらい無い。肝心の大滝はルートが判然とせず、右壁を直上して行き詰ってしまい、予想外の時間ロス。次の厄介な雪渓は突入する気にもなれず、不本意ながら右回れして撤退となった。
今シーズンは誰も入った形跡はなく、錆びたハーケンと古びたシュリンゲが時代の経過を物語っていた。インターネットで検索しても湯沢スラブの記録は見当たらず、かつては首都圏の沢屋・クライマーが頻繁に訪れた御神楽岳だが、今はひっそりとした面影を保った静かな山となっている様だ
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【天候】 晴れ
【コースタイム】 駐車場6:20〜湯沢出合7:10〜雪渓断念11:50〜湯沢出合13:50〜駐車場14:30
【メンバー】 荒井 千田 坂野
【概要】
久しぶりの遠出で盛り上がってしまい、宴会終了が2:00AMで起床は5:00AM。駐車場を出発すると道は昔の鉱山道跡で、一歩間違えると20〜30m位まっ逆さまの道をフラフラと歩いて行く。
湯沢の出合で湯沢スラブを狙うか、予定通りこの先の本名穴沢を登るか迷ったが、昔の面影を引きずって急遽湯沢に変更。ここから見上げたスラブは見事で、標高差1000mの見上げる迫力に見とれてしまう。いかにもスラブの取り付き点は近そうで、楽なアプローチで快適な登りが約束されているように思えた。
出合からは平凡な沢歩きで始まり、途中で3本くらいの小さな滝を越えて行くと上部のスラブが見え、まもなく雪渓が出て来て最初の大滝が行く手を阻む。何時になく雪渓は後退している様で、大滝を囲む両岩壁は深く落ち込み、御神楽岳独特の光景は新鮮だった。
1P目はトップの荒井君が右壁のクラックに取り付くが泥が詰まって以外に手強い。左にバンドをトラバースしてから草付きを登り、40m程で上部のブッシュでピッチを切る。2P目はさらに左上してブッシュを登り、千田君にバトンタッチして上部にロープを伸ばす。ここから見える次の滝には雪渓が残っており、懸垂を諦めて直上したがどうやらルートミスだった様だ。突然上部から鈍い音が響き渡り、どうやら雪渓が崩壊した様だった。結局行き詰まってしまって懸垂となり、20m2回で大滝上部の雪渓下に下りる。
この先には滝が掛かって右壁はスラブにバンドが入っているが、滝の手前には今にも崩壊しそうな雪渓が出現する。雪渓の出口にはまだ新しいブロックが散乱しており、とても潜って突破するような雰囲気ではなかった。
30年くらい前の自分だったら迷わず潜って突破した筈だが、今となってはその様な勢いは無い。結局左側を突破する見込みもなく時間切れとなり、取り付き点に至るまで無くアプローチで敗退の為、残念ながら退却せざるを得ない状況。
シーズン初めの敗退は残念で後悔が残り、しかも仙台から遠い新潟の山ではなお更だった。原因は甘く見た事と時期的に早過ぎた事かも知れない。やはりトレーニングなしのぶっつけ本番ではどうにもならず、久しぶりの手痛い失敗山行となってしまった。やはり入山祝は控えめにと言う事でしょうか?反省。
大滝の後は厄介な雪渓が出てくる
40mの懸垂で大滝下の雪渓に戻る
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