湯殿山東斜面 2009.01




東斜面はノントラックの模様




 山 域  湯殿山 東斜面 (1500m)
 山行日時  2009年1月12日(月)   
 天 候  晴れのち曇り 
 メンバー  単独
 行 程  志津9:30〜渡渉点10:16〜森林限界11:00〜湯殿山11:40〜石跳川12:02〜志津12:33 


 【概要】
 石跳川もそろそろ埋まってきた頃と思い、半日コースとしては最もお手軽な湯殿山を訪れてみた。午後からは天候が崩れる様なので早々と雑用をこなし、南陽から車を飛ばして志津に到着した。朝はかなり冷え込んで晴天模様だが、意外と志津には車が4台のみで静かな雰囲気だった。
 
 この晴天にもかかわらず意外と車は少なく、最後の4台目の車の男女ペアがスタートした後は自分がしんがりで、後を追ったのはすでに9:30AMを回っていた。ネイチャーセンター方向に向かうトレースをたどり、積雪量の増えた石跳川を遡って進み、途中から右岸の急斜面にジグを切って尾根に上がる。しっかり藪も埋まって快適なブナの疎林帯となり、早朝だったら快適なパウダーツリーランも可能だが、今日は湯殿山の東斜面が目的なのでどんどん先を進む。

湯殿山山頂には怪しい雲が ネイチャーセンター
渡渉して対岸の斜面に取り付く まだ埋まりきらない石跳川

 沢の中では樹林帯と青空のコントラストが心地よく、風もないので次第に額が汗ばんできてジャケットを脱いで先を急ぐ。いつもは早朝からの先頭ラッセルが常だが、快適なシール走行は何か先行者に申し訳ないような、ちょっとなにか物足りない様な、いつにない環境はかえってスパートが掛かり易い。森林限界点を過ぎる辺りになるとようやく先行者が姿を現し、右手の尾根コースから山頂方面を伺っていた。

 やがて先行者は右手の東斜面をトラバースして小休止に入った模様だが、、自分は左から忠実に尾根を辿ってそのまま頂上狙いで高度を上げる。すると先頭を行っていたテレマーカーが降りてきて、山頂は諦めたらしく下降して来た。ラッセルのお礼を言って先を行くが、いつの間にか青空は姿を消してガスに覆われ、のんびりムードは怪しくなってややあせり気味になる。すっかり視界が遮られた頃に山頂に達し、今度は休む間もなくシールをはがして下降に取り掛かる。
森林限界付近で尾根上に出る 山頂方面へ
姥ヶ岳の西面と月山 先行者はスタンバイの様子
  
下降コースは山頂直下の東斜面を狙って見るが、モノトーンの世界では斜面の状況が不明でやや不安になり、そして下部は狭くてあまり快適なコースには見えない。斜面を100mほどトラバースして下って斜面に入り、下部の広いスロープを確認して後は一気に下降して行く。しかし、モノトーンの世界は足元の遠近感が掴めずバランスが悪く、リズミカルなショートタンも描けず雑な滑りとなる。固めの斜面に新雪が20cm載っている位で底がやや固く、軽いデープパウダーの面影はなく残念だが、ノントラックの大斜面を借り切った様な滑りには感謝しよう。

 あっという間に石跳川に到着するが、最初に追い抜いた先行者はまだ下降してくる様子はなく、石跳川から見上げる山頂もガスに覆われて何も見えず、のんびり休憩しようという気にもなれないのでそのまま下降する。石跳川の右岸には姥ヶ岳方面から下降してきたトレースが有り、そのままどんどん飛ばして行くと間もなくネイチャーセンターに到着した。

 今日は後2時間も早出していれば東斜面ももっと楽しめただろうが、すでにタイムオーバーの状況ではその楽しみは半減し、なんとなく消化不良で先ばかり急ぐ旅になってつまらないものだった。先行者のトレースのおかげでペースは快調で、3月頃のコースタイムに近かったのは意外。

先行者が降りて行く 尾根上を振り返る
東斜面はモノトーンの世界 石跳川に下降後山頂方面を見る