今シーズン最初の沢登りは高松岳のワルイ沢を選んだ。その訳というのは、最近の長雨と例年にない残雪の多さを考え、梅雨前線を避けて北上して秋田県に入り、、まだ登った事の無いの役内川流域の高松岳、ワルイ沢になった。この高松岳西面には3本の沢があるが、ワルイ沢は国道108号線からのアプローチも良く、この山域では良く登られているポピュラーな沢のようだ。考えてみれば秋田県側の沢歩きは初めてで、いつものパターンとは違った山域も良いだろう。
【天候】 曇りのち晴れ
【コースタイム】湯ノ叉温泉5:05〜ワルイ沢出合5:50〜二俣出合7:00〜ナメ滝連続8:45〜25m2段ナメ滝9:00〜登山道9:50〜高松小屋11:05 11:45〜湯ノ叉温泉13:15
【メンバー】 荒井 坂野
朝起きてみると曇りでも空は明るく、比較的気温も高めで沢登りとしては比較的条件の良い日に思える。湯ノ叉温泉そばの駐車場を出発して上ってきた道路を逆戻りし、途中からツブレ沢本流沿いの廃道になった荒れた林道跡を45分歩いて出合に到着。
ここでガチャを身に着けて遡行を開始すると、まもなく10mの滝が出て来て左から直登する。心配していた水量もさほど無く、出てくる釜もそう大きくないので2〜3m程の滝を次々にに通過して行く。沢は全体が硬い岩盤で出来ており、両岸は狭いもののナメの小滝と釜が綺麗で、両側は緩やかなスラブ帯が何処までも続く。
まもなく2段8mの滝が現れるが、水量が多く下の滝に取り付くことが出来ず、右岸から20分ほどのの高巻で越して行く。高巻ルートにはつい最近のものと思われる踏み跡が有り、比較的滝、釜が多くて人気があるの沢のようだ。
しばらくゴーロ歩きが続くが、沢の中は根こそぎ流されたような中小の倒木が有り、どうやら最近流された様子。この連続する雨で上部の地盤が緩んでしまったのか?ここは沢全体が硬い岩盤で出来ており、沢幅の狭い箇所では雨が降ると増水が早そうで油断がならない。
二俣で小休止の後は雨が降ったり止んだりし不安定になるが、気温は高めで釜に思いっきりつかっても寒さは感じない。この先もナメの小滝と小さな釜が連続し、あまり高度は上げないがどんどん距離を稼ぐ。
途中で2mほどのナメ滝と釜が出て来てトップが難なく通過して行くが、いざ自分で取り付くとトヨ状の水流で足が流され釜にドボン。3回目で諦めて左岸のスラブ上部からの高巻に取り掛かる。別にどうと言うことのない高巻なのだが、スラブ上部をトラバースし始めた時に太い枯れ枝をつかんでしまい1m程スリップ。何とか草付きを捕まえて止まったが、もしそのままだったら10m程のスラブを一直線という感じ。やっぱり集中力が足りないというか、体の敏捷性がないのか不調です。
トップに追いつくと次はスラブ壁に囲まれたトヨ状の狭い沢幅となり、ツッパリで越えて行く。その後はまたナメの小滝と釜が連続し、5〜7m位の容易な滝が2本出てくる。その後は次第に高度を上げて行き、高度720mあたりで沢は右に蛇行し、そのまま進むと沢幅の狭い2段25mのナメ滝が姿を現す。全体的に傾斜は緩いので楽勝気分で越して行き、2段目を右から快適に上り切ると実質上のフィナーレとなる。
その後はめぼしい滝も無く、熊笹に覆われた上部の枯れ沢を上り詰めつと登山道に飛び出した。途中で魚の姿を見たら竿を出そうと思い、密かに忍ばせたテンカラ竿は結局出番が無かった。一度もロープを使用することも無く、なんかちょいと物足りない気もする。しかし実質4時間あまりのお手軽な沢登りだったが、沢登り今シーズン4回目の相方と違い、自分には分相応の沢で結構楽しめた。
登山道を歩いて高松岳を目指して行くと、ガスも次第に晴れて視界良好となり、はるかに遠い虎毛山も姿を現した。高松岳への尾根を上り詰めると登山者で賑わう高松岳に到着し、その後300m位北に進むと高松小屋に到着する。
小屋で休んでいると栗駒山、神室山も姿を現し、この長雨の時期に唯一のプレゼントという感じでありがたい。360度周りを眺めてみると山スキーのコースをあれこれ想像する。日帰りでも可能な周遊コースが有りそうで、今後の北上計画のプランに入れておいても良いだろう。山頂には反対側の泥湯温泉から上がって来た登山者が多く、比較的上部が急峻な湯ノ叉温泉を登下降する人は少ない様だ。
帰りは急な尾根を下ってから伐採用の林道跡を歩き、1時間30分程で湯ノ叉温泉に到着する。なお、後で気が付いたらフェルトわらじのヒモ固定用のテープが擦り切れていた。擦り切れた箇所はわらじ外側だけで、どうやら狭いトヨ状の登りで擦り切れたようだ。意外な弱点だったが、今後はわらじの外側を擦らない様に注意する必要がある。
高松岳 院内川流域 ワルイ沢 MAP
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