船形連峰 後白髭山


             
                    深雪の次は大きく張り出した雪庇とクラック
 
 
 【日時】    平成17年2月6日(日)
 【目的地】   船形連峰
 後白髭山 (1423m)
 【コース】   定義8:30〜後白髭山コース(1150m地点)12:40〜定義15:30
 【メンバー】  坂野 荒井
 【天候】    風雪

        

 ここ3日間ほど続いた冬型の気圧配置はまだ衰えを見せず、週末まで持続してしまい積雪量は増し風も強く稜線歩きさえも辛そうに思える。今回様子見をしていた蔵王方面はさっさと諦め、普段はあまり足を向けない船形山の後白髭山を狙ってみる事にする。冬の船形山登山コースとしては北側の升沢コースが一般的で、標高差があって距離の長い後白髭山コースは敬遠されて人が訪れる事も少ない。無積雪期の印象ではブナ林の快適なツアーコースに思えるが、3月にこのコースをトレースした事がある荒井君の勧めもあり、ラッセル覚悟で出かけてみた。

 定義での待ち合わせ場所の打ち合わせミスから出発時間が遅れ、林道入り口を出発したのは既に8:30AMを廻っていた。最近降り続いた雪は膝下までのラッセルでペースがはかどらない。最近伐採したばかりの杉林跡から登山道に入ると、以外にも入り口には最近入ったばかりと思われる赤布が有った。それに導かれてまだ若いブナ林の尾根筋めがけてジグザクに登ってゆく。下部はうるさいブッシュ交じりだが、途中で上部の林道と交差する辺りからは本来のブナ林のツアーコースらしくなり、次第に強まる風雪にもめげず高度を少しづつ上げてゆく。広く傾斜の緩い斜面を単調なラッセルでし続けて行くと、1000m付近で風雪がさらに強まり右手に大きな雪庇が連続するようになる。
 
 こんな穏やかなブナ林の尾根で見る雪庇は意外だが、高さもあり張り出しも2〜3m程有りそうに見える。トップを行く相方は充分に警戒しながら歩いているはずだが、しかし何かの拍子に油断して雪庇に近いてしまう。気が付いてみると足元20cmくらいの斜面から突然縦にクラックが入り、幅5〜10cm、長さ40m程有った。尾根両側の傾斜は緩く雪庇の崩壊と共に斜面を滑落する事は無いが、この雪庇の下敷きになると脱出する事も容易ではない。

 ようやく深雪のラッセルから開放されたが、この先は1000m付近から小さなアップダウンが連続し、一向に高度が稼げず視界不良で後白髭山の山頂方面も全く見えない。既に12:30AMを廻っており、これから後白髭山直下の急斜面を登りきる時間は残されていないようだ。残念だが今日はここまで。このコースは全体的に傾斜が緩く当初期待したパウダー斜面とはいえないが、3月頃なら快適なブナ林から船形山の稜線に至る面白そうなツアーコースにも思える。