豪雪の月山  志津〜姥沢周辺 2012.02.12




電柱下のショートカットコースを行く先行者




 山 域  姥ヶ岳 (1669.7m) 
 山行日時  2012年2月12日(日)   
 天 候  風雪   -10.0℃ (1300m地点) 
 メンバー  単独
 行 程  志津7:55〜姥沢10:15〜1300m地点10:50〜志津11:45 
 標高差 550m
 


【概要】

 今年の雪が半端でない事は良くわかっていたので、あまりパットしない天候でも月山に行って見物しようと思った。何時もの様に国道から志津に向かって登って行くと、道路の両側はすでに高さが4.0m以上はありそうな雪の回廊となって、弓張平か先になると突然の地吹雪で視界は真っ白となり、道路のどの辺を歩いているのか分らない。何十年ぶりのホワイトアウトの世界だった。
 
 こんな天候では先行者などいないだろうと思ったら車が1台あり、すでに出発して間もない様な様子だった。出だしからポケロケでひざ下位あるトレースが続くが、いつもとは違ってすっかり楽をさせてもらって先を急ぐ。トレースは電柱下コースに続いており、間もなくすると先行者のラッセルする姿が目に入った。

 こんな時に単独でラッセルしている人は尊敬に値するが、挨拶を交わしてお礼意を述べ、先頭を交代しても黙々と前進してゆく。先行者の板は今熱い視線を浴びるスーパーファットの板で、トップの幅は130mm以上で深雪にはめっぽう強そうだ。しかし、あまりパットしない天候のせいか、あっさり諦めてUターンして元来た斜面を降りて行った。

志津の駐車場はこんな感じ 積雪5.m位か?
     
姥沢へ向かう道路は道の形もない 姥沢の2階建てロッジは屋根まで雪の下。
   久しぶりの本格的なラッセルで先が思いやられるが、寒気が厳しくて雪が軽く意外と歩き易い。キックターンだけは少し難儀だが、車道を歩く分には何時も路とあまり変わらい様なペースに思える。しかし、道路は雪に埋もれてフラットな斜面となり、次第に強まる風雪に逆らって姥沢を目指す。

 ところが、姥沢からは人の声が聞こえ、以外にも尾根コースを上がってきたスノーキャットのトレースが有り、姥沢駐車場に着いたみると既に団体さんが上部の尾根コースを目指していた。聞くところによるとガイド付きで一人¥11.000の料金らしいが、汗をかかないで済むお客様にとっては高くはないのだろう。でも、毎日運航できる訳でもなく、天候に左右されて車両の維持費もかかる為、決して楽な商売ではないという話も聞いた。

 姥沢の周辺を見回すと何時もの光景とは違っていた。姥沢全体が雪の海に飲み込まれている様で、8年間ほどこの厳冬期の月山に通い詰めているがこんなのは見た事がない。

 団体さんの残した楽ちんトレースを追って行くと間もなく追い付いてしまったが、ここで追い抜いて先頭に出るのも何となく気が引ける。それに、風雪は強まる一方で流石に今日は姥ヶ岳の山頂を狙う雰囲気でもない。迷う事無くシールをはがして下降に取り掛かる。

 石跳川を下ってもこの深雪では快適なパウダー満喫とは思えず、ラッセル覚悟のつまらない下降になる事は目に見えている。正直に元来たトレースを辿って降りて行き、電柱下のショートカットコースでは激パウを多少味わってさっさと降りてゆく。途中で登ってくる5人ほどのスキーヤーを見かけたが、厳冬期の月山界隈の観光地化が急に進んでいるように思えた。
  
こんな日に団体さんが上がってきて大盛り上がりの様子 風雪は強まり姥ヶ岳は遠い

結局ショートカットコースでお茶を濁して終わる 志津の旅館は雪の海に埋もれている