あまり道具は持たないほうですが、スキー用具、山道具の紹介などを少し


  サロモン ポケット・ロケット 165cm 
  
 (2005年モデル) サイズ:122−90−115

 最近仲間入りを果したファットスキー。使ってみるとこんなに山スキーに向いているのかという事に感心する。ゲレンデではクルクル廻って安定感がなく頼りない気がするが、不整地などではエッジで切ってターンする滑りではそれなりに楽しめる。

 そしてそれ以上に深雪のパウダーになると見違える程の性能を発揮する。ツインチップのテールは雪の抵抗が少なくてターンでの抜けが良く、スピードに乗ると浮力が大きくなり、適度なトップのしなりがあり安定感のある素早いターンでリズムに乗りやすい。

藪パウダーでもクイックターンが可能になり、今までボーゲンで誤魔化していた斜面は楽しいパウダースキーの斜面へ。元々フリースキーというカテゴリーに属する板だが、深いパウダーはもちろん、たちの悪いモナカ雪、重い悪雪などに威力を発揮し、山スキーでの滑降特性は素晴らしい。
 
 深雪の歩きでもトップは沈まず歩行スピードもあまり落ちなく、急な斜面のジグザグ登高でも意外と登り易い。短めのサイズなら急斜面登りのでのキックターンも楽で、厳冬期のルンゼ滑降、ツアー共に無くてはならないアイテムに思える。大袈裟に言えば山スキーライフが大きく変わりそう。

中高年にとっては多少重さが気になるが、滑って楽しく思わず自信過剰になりそうな板。2007年モデルもデザインと名前がが変わっただけのようですが、ただあと2万円位安ければもっと良い板・・・。

  TRAB・ピューマ・シンテシ 165cm
  
 (2004年モデル) サイズ:100−71−88

 15年ぶりに板、ビンデイングを買い替え。スキー板+ビンデイングで合計2.25Kgと軽量モデル。 切れの良さ、堅い荒れたバーンでの安定性は良く、急斜面でのコントロール性能は満足。

急峻なルンゼの滑降、微妙なアイスバーン斜面での下降、厳冬期での急な尾根斜面の登下降、春スキーでのロングコースの走破など、オールラウンド山スキーヤーを自負する方には最適のモデル。

 ブラックダイアモンドのシールとの相性もよく、急斜面での登高、トラバースは軽くて安定感があり、長時間の登高も比較的楽で体力の低下が目立つ私には心強い味方。山板としては殆ど完成されたような信頼感が有る。

 
  クナイスル マウンテンスター 180cm
   
 15年間使い続けた板だが自分ではお気に入りの板。クナイスル社では世界に先駆けてインジェクションスキーを導入したメーカーだが、返りが良くないなど競技系では嫌われた存在で日本での人気もイマイチだった板。しかしサレワのビンデイングとの合計重量は2.41Kgと比較的軽く、急斜面での取りまわしでもあまり不満は感じず、深雪、悪雪、アイスバーンを全てこの一本でこなして来た。

15年間の使用に耐えても、板のねじれ、ヘタリなどは見られない。

ビンディングはサレワ・プレートビンディング

残念ながら、シンテシの登場で現役を退いた。




 
 フリッチ・デイアミール・フリーライド


 ご存知、今最もメジャーな高機能、高性能ビンデイング。耐久性の不安もあったが基本的にスピードを抑えた滑りが多く、コブ斜面をガンガン滑ったり重荷を背負うことも無くなった。、リターンスプリングも改良されて破損しにくくなり、今のところビンディングトラブルはまったく無い。

 なお、スキーアイゼンはロングタイプを使用。東北の山の主稜線は高くても1800〜2000m程で、3月頃でのアイスバーンでもブルーアイスの出てくる急斜面はあまり無く、使い方次第ではかなりの急斜面でもスキーアイゼンで上り切る事が可能。
微妙な箇所でのトラバースなどではロングタイプの爪のほうが安定感が有り有効。最近では軽量化の為歩行用のアイゼン&ピッケルを持ち歩かなくなった。ただしアイスバーンの急斜面ではタイミングを誤ると進退極まる事になるので要注意。

  サレワ・プレートビンディング

 これまた市場ではまったく人気の無かったメーカー。自分ではサレワ独自のシステムが気に入っている。縦、横方向の開放に優れ、急峻なルンゼ滑降でも使用したがコブの斜面以外には誤脱も殆ど無い。アルミ製で軽量に出来きており、切り替えレバーが曲がってしまった以外にトラブルはまったく無かった。しかも兼用靴、登山靴、アルペンスキーブーツの何れも使用が可能と言う優れもの。

 難点は開放すると再セットが面倒で、深雪では特に大変。
  GARMONT G−ライト Gフィット
     (サーモインナー仕様 2004年モデル)

 これも勢いに乗って15年ぶりの買い替え。25.5cmで片足1.4Kgとコフラックのプラ靴「ハイアット」と変わらない軽量モデル。ゲレンデブーツと同様にきつめのサイズで履いているが、フイット感は良く最初から違和感も無く、滑った感覚も大変に満足。

 歩行感覚では軽く膝も入りやすく、急な斜面の登高でもプラスチック登山靴に近い歩きやすさで、長時間の歩行にも疲れを感じない。
  コフラック バルガライト

 15年間使い続けたボロボロの兼用靴。初期のリヤエントリータイプの兼用靴で、以前使われた方も多かったと思います。一番の欠点は足入れが極めて悪い事と、踵で締め付けるタイプなので甲、つま先付近の締まりが全く無く、足がユルユルの状態で滑降性能が悪い事。そして歩行時にシェルが堅くて膝が入らず、特に登りでは難儀。

 対策として、アウトシェルとインナーに大幅な改造を加え、何とか使用に耐えるレベルにして使い続けた。
なお、メーカーサンプル品の為、オリジナルカラーモデル。

  改造内容

@ アウトシェルの足入れ部分をカッターナイフで左右1cmづつカット。
A 踵抑えパットの出っ張りは外からカッターを入れてスポンジをカットし、外側からバイオランテープ(建築用)で押さえる。
Bインナーの甲、指の付け根部分にパッド(ホームセンターで売っている防音用)を3枚重ねにして締まりを良くする。
  
 


 
 Black Diamond スタンダードスキン
          (貼り流しタイプ)

パウダー・湿雪・ザラメ雪など共にグリップ力が有り、滑りも滑らかで申し分のないアイテム。慣れればクトー無しでもそこそこの斜面はクリアーできるが、微妙なときは迷わずアイゼン歩行に切り替えた方が安全。

 糊は評判どうりの強力な接着力だが、シールの中間、幅1.5cmほど糊が付いていないので、テールから5cmほどの部分を専用の接着剤で塗り足し、雪の進入によるシール剥がれを防いでいる。

 貼り流しタイプのトップのフックはシンプルで雪の抵抗感が無く、テールを不用意に雪面に突き刺したりしなければシールが剥がれる事は殆どない。トップのワイヤーが延びてしまい、最近ショップに頼んで交換してもらった。

  
 スチュバイ ナンガパルバットエクストレーム 65cm
            遊動リング付き

 今では貴重となったウッドシャフトピッケル。1976年2月エベレストBCからカラパタールの丘まで行ったとき、途中のペリジェのロッジの親父を値切り倒して買った一品。当時150ルピー(2500円?)。1975年エベレスト南壁ボニントン隊のシェルパ支給用品。

 現役時代の冬期登攀、アイスクライミング、ヒマラヤ登山までこの1本で通した。シャフトは細めで握りやすく、軽くてバランスが良く長時間の使用でも疲れない。シャフトは2回折れて交換している。今となっては歩行のみの使用で、中高年登山者にはとても向いている。ただし飯豊、朝日、鳥海山でも最近ピッケルを持参する事はなくなった。

 ケルマ エキップ 

 フランス ケルマ社オリジナルモデル。

1978年に購入後、山スキー、ゲレンデスキー共に使用。ライセンスモデルに比べると少し重いが、適度な弾力があって耐久性は抜群。31年間の激しい使用に耐えてエッジで傷だらけだが、まったく曲がりは無い。リングも大きめで山スキーには向いている。
   
 サレワ 12本爪 

 1976年 ペリジェでロッジの親父を値切って買ったもの。同じくエベレスト南壁隊シェルパ支給品。爪が短くミックスクライミング、縦走登山用として使用してきた物。1981年インド トリスル1峰(7120m)登山、黒伏山南壁ダイレクトルート冬期登攀等で使用した思い出の品。

 今となっては全くお呼びじゃない代物ですが、プレスアイゼンのはしりというべき品で、ダブルアックス時術を生んだ、今思ってみても当時の登山スタイルを変貌させた、完成度の高い画期的なアイテムだったと思います。ちなみに日本ではその当時、「カドタ」、「タニ」ブランドのアイゼンにお世話になっておりました。ちなみに近頃の私レベルではこの程度の機能で充分に満足しています。  

   お気に入りの手袋 

  シュラドミンガー5本指 (オーストリー)

 厳冬期での辛い思い出の一つはでは手袋の冷たさ。最近になってシュラドミンガー社(オーストリー)の無脱脂ウール5本指(メーカーサンプル品で市販されなかったアイテム)に、モンベルのシステムグローブのアウトシェルを組み合わせたセットを使用。

 ヘリテイジのゴアテックス5本指オーバーミトンは、ラッセル・雪洞設営などの為のアイテムだが、意外と出番が無くて間に合ってしまうのでもっぱら非常用。シュラドミンガーの5本指はレザー張りでグリップ、フィット感が良く、耐久性もあって殆ど冷たさを感じさせない優れもの。

   スパイク地下足袋  
 
  極めてマイナーな山道具の御紹介

 ごくほんの一部の人しか愛用していないと思いますが、私は山歩きの為年に数回このスパイク地下足袋を履いています。かつて地下足袋、ワラジで沢を歩いた年代の方は良くお解りと思いますが、日本、特に岩稜の少ない東北の山歩きには地下足袋が実にマッチしているのです。

 軽く軽快な事はもちろん、通気性抜群で足元の開放感を思いっきり体感できるお気に入りの一品です。特に秋の山歩きで落ち葉を踏みしめながら、足裏に柔らかい感触を感じる時の快感は忘れられません。濡れてもすぐ乾きやすく、水洗いすればメンテも必要とせず何かと便利。

 衝撃吸収材つきの中敷を敷いて使っていますが、稜線付近のガレ場でも足裏の負担は少なく、急な下りでも膝へのショックが和らいで快適。ただしスパイクがひっかかかり易いのでランニング登山には不向きでしょう。但しファッション性度外視の方限定のモデル。

※ただ、0.5刻みのモデルは林業専門店以外あまりり出回っておらず、サイズの選択を誤ると下りで爪を傷めてしまう事も有り、またメーカーによってつま先のフィット感の違いが有ります。誰にでもお勧めと言うアイテムでは有りませんので念の為。 

   スパイク地下足袋+フェルトわらじ  

 特にお気に入りの沢登りアイテム

 最近地下足袋を履いた沢屋さんはかなり少数派となりましたが、今でも一部には根強い愛好家がいる。私もここ10年間ほどは何のためらいも無く渓流シューズを履いていたが、最近になって25年ぶりに地下足袋派に舞い戻ってしまった。

 スパイク地下足袋+モンベル社製フェルトわらじのコンビネーションが沢登りに良くマッチするのです。親指の踏ん張りが利いて細かいスタンスにも立ちやすく、地下足袋の造りもしっかりしているので足もがっちりガードしてくれる。

稜線間近の草付き、藪漕ぎにも強い。そして何よりの嬉しいのはスパイク地下足袋のグリップ性能の良さで、ズルズル滑る下りの苦痛から開放されるその嬉しさ。余計な体力を浪費せずにスタスタ下れるのは実に有り難い。

 なおフェルトわらじは標準のストラップ付きヒモでは外れ易く、今は林業用品のナタ紐(木綿製の幅1.0cm程の丈夫な紐)を使っています。またテープを通す外側のリングは摩擦に弱く、岩に擦れると簡単に切れ易いので布と接着剤で補強しています。物好きな方は一度トライしてみては?独断と偏見ですが。 
 テンカラ竿

 あまり釣れないが貴重なアイテム

 沢登りをやっていると殆ど釣りにならないが、一応3本のテンカラ竿を使い分けています。

 上の4.5mの竿は中硬調エサ竿を改造した物で、グリップだけを自転車ハンドル用のグリップテープを巻いた自作品。ラインは4.5mの編み込みライン専用で、朝日連峰などの沢では広い沢の対岸まで飛ばせる優れもの。実に軽量な竿の為1日頂戴中振っても疲れが無く、今では最もお気に入りのアイテム。
 中段の竿は硬調3.6mで、最も使用範囲の広い竿でピンポイントにも打ち易い。滝の直登・高巻などに備えてライン巻きを取り付け、最も利便性の有る竿の筈だがなぜか余り釣果が無いのが悩み。
 下段は最近、近郊の沢・ヤブ沢専用に買い求めた3.3mのバッタ品。まだ余り使ったことは無いが二口、鍋越、虎毛辺りでは活躍するかも? 

 編み込みテンカラライン

 お宝にしている一品

 毛鉤を巻くことは出来てもラインまで自作できる人は少ない。このラインは瀬畑翁から頂いた物で、4.5mと6.0mの2本は海釣り用の糸を手で編みこんだ貴重なお宝。

 ムチの様に遠くまで飛ばし易くて安定性が有り、滝壺でのしぶきもものともせずピンポイントを狙える。市販品の細い機械織りのラインとは別物で、耐久性は抜群でしかも引っ張った時の撚りは無く、まさに山釣りに特化した芸術品と言ったらオーバー?
 
 瀬畑翁の釣り方はウェットフライを水面下に流し、フライフィッシングのように水面上にラインを弛ませ、しっかり毛鉤をくわえ込んだ岩魚の糸ふけで当たりを取る釣り方。

水面上を流して反転した瞬間に素早く合わせて岩魚を釣るドライテンカラとは違い、ノーテンションの毛鉤に岩魚は警戒感が薄い為、くわえ込んでから遅い合わせでも充分ヒットさせるという釣法。つまり、毛鉤を見失っても向こう合わせでも釣れる、目の弱った中高年には願っても無い釣り方でも有る。
 
 でも、流石に6.0mのラインを正確に飛ばす技量など無く、もっぱら4.5mのラインを大事に使わせてもらっています。他には3.6mの市販品織り糸ライン、3.3mのフライ用テーパーラインを使用。


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