飯豊連峰 御西小屋〜駒形沢〜本社ノ沢右俣 2015.05.03〜04
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御西小屋から見る大日岳&牛首山

山 域 |
飯豊連峰 御西小屋〜駒形沢〜本社ノ沢右俣 |
山行日時 |
2015年5月3〜4日 |
天 候 |
快晴 |
メンバー |
単独 |
行 程 |
5月3日 大日杉5:55〜地蔵山9:35〜大又沢10:20〜本山小屋14:20〜御西小屋16:15
5月4日 御西小屋6:08〜駒形沢(1660m)6:20〜御西小屋7:28〜本山小屋10:15〜本社ノ沢右俣1〜大又沢〜地蔵岳12:50〜大日杉15:20 |
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本社ノ沢は今回が5度目の訪問だが、実は2年前に御西小屋を目指してものの登路の本社ノ沢左俣でブリザードに遭遇し、本山小屋で足止めを食ってしまって以来のリベンジ。40年前の5月にダイグラ経由で御西小屋に入り、大日岳の山頂を踏んで石転び沢を下降した山行以来だが、山スキーでは地図の空白部となって中々近づき難い小屋でもあった。
檜山沢・実川・飯豊川源流の斜面を訪れなくして飯豊の山スキーは語れまい。ここだけは日帰りで沢筋を滑ることは困難で、アプローチに難点があってハードルは高いが尚更興味がわく。出来れば2泊3日以上の日程が理想だが、暇なしスキーヤーには1泊の山行が限度で、小屋で旨い酒を呑む事と出来れば大日岳の登頂を目的に目的に大日杉にやって来た。
5月3日(日)
大日杉の駐車場に着いてみると既に3〜4パーティーが先行し、どうやら自分は最後らしく後に続く人はいなかった。ザンゲ坂にはまだ雪が残っていたがその先は無く、御田から随分先の斜面からスキー登高が可能になる。ほぼ1ヶ月ぶりの山行は体にきつく、ザックの重さが堪えてペースは上がらず、写真を取りながらゆっくりしたペースで地蔵岳を目指す。
地蔵岳の山頂に立つと本山の東面が大きく立ちはだかり、急峻な本社ノ沢が連続したスロープとなって大又沢まで繋がっている。何回訪れても雄大な光景で飽きること無く見入ってしまう。
大又沢への下降はやや下がった鞍部から少し藪越え斜面に乗り、縦筋がうるさい急な斜面をガリガリいわせながら下って渡渉点を通過する。何時もながら右岸の急斜面の嫌らしいトラバースは少し緊張する。
本社ノ沢を少し登った所で水を補給していると前方には先行者が1名いたが、後を追って行くとどんどん離されてしまって尾根に上り詰める頃には姿を見失った。中々山慣れした方の様だ。
天候は良く気温は高めだが斜面にシールが効いて歩き易いが、中々届かない本山小屋に足取りは遅くなって辛い登りが続いた。ふと見ると一人のスキーヤーは本社ノ沢右俣を既に下降中で、ようやく辿り着いた小屋には宿泊の登山者が4名ほどで山頂へ向って行った。
予定より1時間ほどの遅れだが小休止の後御西小屋を目指して出発し、登山道下の雪の斜面をトラバースして最短コースで進み、1時間15分程すると目的の御西小屋に辿り着いた。小屋には以外にも3人の登山者と1名の山スキーヤーが宿泊予定で、夕食時は2名の若い登山者と山の話も弾んだ。
2階のスペースは断熱性も良いのか暖かく、シュラフカバーでも凌げるくらいの快適さで思わず酒も進む。菊水2本とビール1本では足りなかったと後悔。しかし、単独の山スキーヤー氏は行程4泊の御西小屋3泊で、毎年この時期には訪れているという強者の方。実に羨ましい。
5月4日(月)
早朝出発していった登山者を見送った後ゆっくり朝食を済ませ、スマフォで天気図を見ながら予定を立てる。大日岳の山頂と東面の急峻なルンゼも魅了的だったが、今一つ調子の上がらない自分には無理なことが明らかで、下り気味の天候の性にして北面の駒形沢に狙いを定めて下降する。
駒形沢はゆるい傾斜の広大な斜面が続く独特の斜面で、飯豊連峰の沢筋の地形としては珍しい緊張感のない雄大な斜面。醜い雨の縦溝は煩いが気温が高いため雪は柔らかく意外と滑りやすく、ゆっくりとしたロングターンで下りていってクルージングを楽しむ。こういう滑りも決して悪くはないと感じる今日この頃。
1650m付近まで下降すると谷は狭まるので終点とし、のんびりと登り返して小屋に戻ると一時周りはガスで覆われた。その後晴れ間に戻ったが天候は下り気味の様子で、小屋で荷物を詰め込んで帰り支度とした。
1時間半程で本山小屋に戻るとすぐ本社ノ沢下降に取り掛かり、本日は3年ぶりに右俣を選択してスキーワックスを塗り込んで準備を整える。フラットで適度なザラメの斜面は何処までも続き、急斜面で空中浮遊感を味わうような快感でドンドン下降してゆく。
やや狭まった中間部から下部斜面までオールフラットの快適斜面の連続で、あっとう間に大又沢の出合に到着して小休止。近くで補給した雪解け水は実に有りがたく、喉の渇きを癒してから地蔵岳への登り返しに取り掛かる。開いた滝壺の急斜面はスキーアイゼンを効かせて通過し、後は地蔵岳の山頂に繋がる急斜面をひたすら登り返し、小休止して本山の勇姿を再び目に焼き付かせ、後は滑りの悪い板に難儀しながら下降の後徒歩で下山する。
今回の板の滑りの悪さはソールにこびり付いたヤニの様なものが原因で、ブナの花粉が多量に付着したものとか、或いは北朝鮮で中々収まらない大規模な森林火災による煙の性だとも言われるが、長い山スキー人生でも初めての出来事で意外だった。
今回は飯豊の奥座敷に少し手を触れただけで終了したが、飯豊の心臓部とも思われるエリアで興味は尽きない。今度こそゆったりとした日程を組んで再び訪れたい。
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大日杉〜大又沢〜飯豊山〜御西小屋〜駒形沢〜飯豊山〜本社ノ沢右俣〜大日杉 コースMap |
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御田の上からスキーの登高が可能
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地蔵岳直下の尾根
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本山の迫力は何時見ても素晴らしい。
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大又沢の渡渉は右岸の急峻な斜面から。
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ブロックの崩壊箇所はこの1箇所のみ。
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地蔵岳山頂に繋がる雪壁が登り返しのコース。
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シールを効かせながら快適に尾根を目指す。
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尾根直下までは快適そうなフラット斜面。
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尾根に飛び出してみると本山小屋までが長い。
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本山小屋の周りはすっかり雪解けモード。
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スキーならトラバースしながら最短居距離コースを進める。
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振り返る本山方面は雪解けが進んでいる。
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大日岳をバックの御西小屋はナイスロケーション。
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大日岳山頂は楽勝のように思えるが・・・。
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梅花皮岳岳〜北股岳方面は遠い。
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北股岳、梅花皮岳も雪は少い。。
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ピラミッド型の大日岳山頂からの斜面は魅力的。
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飯豊連峰では珍しい雄大な駒形沢の地形。
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長大なダイグラ尾根
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広大でオープンバーンを降りて行く。
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気温は高めで斜面は柔らかい雪。
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1650m地点で本日は打ち止め。
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縦溝もある時は芸術品。
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本山方面の空にはうろこ雲が現れて天候は下り気味。
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快適な御西小屋に別れを告げて帰路へ。
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種蒔山〜三国岳 彼方には磐梯山。
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牛首山方面は自分にとって未知の領域。
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本山小屋から本社ノ沢右俣を下降。
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右俣の斜面は適度な雪の硬さのフラット斜面。
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左俣も合流して更に快適斜面を下降。。
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下部斜面も荒れてなくてナイスクルージング。
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へ |
地蔵岳へ登り返しは急な山頂直登コースを選択。
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中間部からは穏やかな本山の姿。
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切り合せ方面のコースにはややこしい雪庇が残っている。。
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下りでちょっと癒やされる気分。
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