吾妻連峰 早稲沢〜西大填 (1981.9m) 



西大填の西斜面はご機嫌なパウダー斜面




 山 域  吾妻連峰 西大填 (1981.9m)
 山行日時  2007年 1月14日(日)  
 天 候  風雪 
 メンバー  千田 荒井 坂野

 
コースタイム=早稲沢6:45〜二俣7:35〜1375mピーク9:15〜西大填11:40 12:10〜二俣13:50〜早稲沢14:10

 西大填は福島県側のデコ平スキー場のゲレンデトップから2時間位の距離で、この時期は雪質も良く多くのスキーヤー、ボーダーが訪れる。しかし檜原湖北端の早稲沢集落から西大填を目指す人は少ない様で、下る人はたまにいるが5〜6時間掛けて登る人は少ない。今回は好天を期待して西大填の周遊を計画したが、西大填では視界が利かず結局往復しただけで終了した。山頂で天候待ちをしているパーティーもあったが、我々は期待していた東斜面は見送り元来たコースを引き返した。しかし、上部の西斜面は既に積雪量も十分で、期待以上のパウダーツリーランが楽しめて満足だった。

林道を軽いラッセルでスタートする 二俣の尾根取り付き点で

 1:30AM頃までの宴会の後シュラフに潜り込んだが、標高は800m位だがなんとなく湿気寒い。スリーシーズン用シュラフにシュラフカバーでは流石に辛く、殆ど寝られ無いまま6:45AMに早稲沢集落をスタートする。吾妻川に沿った林道を進んで行くとやがて二俣となり、ここらは夏道を離れて薮っぽい尾根に取り付く。尾根の取り付きは急な斜面で雪が締まっておらず、ファットスキーでもズルズル滑ってジグを切るのはちょっと辛い。

 200mほど標高上げるとやがて傾斜が落ち、尾根通しに高度を上げて行くとまだ新しいカモシカの足跡。その先には2頭のカモシカが我々を待っており、こちらをじっと見ていたがすぐに上部へと姿を隠した。尾根の左側は切れ落ちた急な雪壁となって沢に落ち込んでいる。そのままカモシカの足跡を追うように尾根通しに黙々とスキーを走らせ、1375mのブナの大木が2本あるピークにたどり着いて小休止とする。風は弱くて空も明るく期待が持てそうだが、寒気が入っているのか西大填方面の視界は相変わらず利かない。コンパスを東に振って一旦下ってから唐松混じりの樹林帯を進むが、標高1500mを越えても樹氷らしい雰囲気は見られず、今年の暖冬模様を物語っている。

下部の尾根はまだ薮絡みでうるさい 西大填の西斜面は積雪量も十分なパウダー
 
 標高1600m位からは次第に疎林の雰囲気となり、広い斜面が続いて面白そうなパウダー斜面に見え期待が膨らむ。気温が低めの為に雪は軽く、ファットスキー向きの軽いラッセルでどんどん快調に進んで行く。この西斜面は適度な傾斜が続き比較的フラットで、吾妻の東側斜面の様な小沢が多い暖傾斜のコースとは違い、パウダーのツリーランを狙うのにはちょうど良い。2年前の同じ時期に藤十郎から大平コースを下ったが、スキーがまったく走らず難行苦行のラッセルが延々と続いた。

 西大填に到着するとすぐ下から5人のパーティーが上がって来て、それに4〜5人のパーティーが後に続いた。山頂は風があって視界が利かず、楽しみにしていた東斜面はまったく見えない。右も左も、上も下も解らない灰色の世界の斜面では滑っても面白くなく、標高差200mを登り返すのも難儀に感じ今回はあっさりと見送りとする。
 

 先にグランデコ方面に下っていった宇都宮の5人パーティーに続き、準備を整えて元来たコースに向かってスタートする。フカフカのパウダーでファットスキーの浮遊感を思いっきり堪能し、右に左に思いどうりのコースを選んで下りて行く。あまり調子に乗るとブッシュに引っ掛けそうになるので、スピードはやや押さえ気味ながら慎重にコースを下りて行く。だがここで一気に下ってしまうのも勿体無いので小休止とし、例のハイオク梅酒をグビグビやりながら一時至福の時を過ごす。

西大填の山頂は視界が利かない スタート直後の西斜面
 
 下降コースはまだ薮っぽい尾根を下るのも難儀だし、夏道の沢コースを取っても良いと思ったが、まだ不安定な雪を警戒して1375mピークを左に巻き、上って来た尾根の左の小沢を下降コースに取る。下るに連れて薮が濃くなり厄介だが、小さな沢の左岸をトラバース気味に下って最後は夏道の沢コースに合流した。その間は何回かブッシュに足を取られ、まるで転がる様にしながら雪まみれでようやく二俣に辿りついた。昨夜の寝不足か酒の入りすぎか?二俣から先はしっかりトレースの残った林道をどんどん飛ばし、10分位であっという間に早稲沢集落に到着した。


軽いパウダーで板は良く走る パフパフパウダーの浮力感は快感

  


吾妻連峰 早稲沢〜西大填 ルートMAP