村山葉山(1461.7m) 畑〜葉山神社〜東面・西面 2013.04.13




1428mピークから葉山山頂方面



 山 域  村山葉山  葉山  (1461.7m)  
 山行日時  2014年4月13日(土)
 天 候  快晴
 メンバー  千田 坂野 
 行 程  畑7:31〜分岐9:40〜葉山山頂11:00〜葉山神社11:16〜東面斜面(内院)12:30〜西面斜面13:38〜畑14:30

 
村山葉山は富並川の源頭を東西に馬蹄形型に囲んだ様な稜線で、独立峰では他には見られない内院の様に取り囲まれた地形となっている。月山の東側に位置する為か山域全体で積雪量は多く、特に東側の大鳥居側は朝日連峰の大井沢と変わらない様な積雪量がある。

 三枚平から烏帽子岩に至る尾根上の南北の斜面には急峻な疎林帯が広がり、厳冬期には樹間の広い魅力的なパウダーコースが存在する。1月中旬から2月末にかけてはその適期で、高度差150m〜400m程のコースは刺激的で、パウダー好きにとって「パウダー道場」と言っても良い魅力的な存在。

 一方、1〜2月の西側エリアは除雪終了点の柳沢集落が起点となるが、葉山山頂狙いの日帰り尾根コースとして注目され、沢筋の斜面も快適なパウダーコースとしてトレースされている。

 そして4月初旬に南面の畑集落迄の除雪が完了すると一気にアプローチが短縮され、葉山山頂が近くなって春のツアースキーに恵まれた環境が整う。稜線に上がると雄大な月山が目の前に鎮座して鳥海山も見渡せ、西側には朝日連峰、遠くには飯豊連峰・吾妻連峰が連なり、蔵王・船形連峰、栗駒山、神室連峰、果ては焼石連峰までが視界に入ってくる。

 まるで南東北の山の展望台のような村山葉山だが、稜線上に辿り着くと標高が1400m前後とは思えない様な景観が広がり、何度か通うとその虜になるような独特の景観だ。しかも、訪れる人は少なく実に静かだ。でも、最近、スキーヤーにとって余り歓迎したくない様なお客様もいるようだ。


【概要】

 
出発点の畑集落に到着して準備を整え出発すると、前日のものと思われるスキーのトレースが有り意外だった。今日の先行者はいないので夏道沿いにコースを辿り、1021m地点からなだらかなブナの2次林を登って行くと間もなく尾根上に至る。今日は晴天だが意外と気温が低い為か斜面は固く、初めてセットするTLTのスキーアイゼンを利かしてジグを切る。

 しかし、爪が短いためディアミールロングタイプの様な確実なグリップ力はなく、騙しながらの登高で何となく頼りない雰囲気。5月の飯豊・朝日の急斜面では使い物になりそうもなく、歩行アイゼンが必須のアイテムになりそうだ。

 広い尾根上は更に緩やかとなって次第に視界が広がり、気温も高からず汗をかく事もなく実に心地良い。1243m地点からコースを左にとって尾根の左側を辿って稜線に飛び出す。広い雪原の向こう側には対岸の烏帽子岩コースが姿を現し、光景が一瞬にして変わって富並川を源頭とする内院が俯瞰出来る。
 富並川に落ち込む東斜面は急峻なオープンバーンが沢床まで連続し、スキーヤーにとっては興味深い滑降ラインに思える。しかし、この時期になると東斜面の雪庇の崩壊は早く、大きなブロックが斜面に残って荒れ気味であまり快適そうには見えない。所々大きなクラックが口を開けているのも気にかかる。

 1407mピークは左側からシールを効かせて通過し、雪解けの進んだ稜線上を進んで行くとやがて葉山の山頂に達する。風もない晴天の稜線上はパノラマコースそのもので、春のツアースキーの醍醐味を味わえる至福の時間だ。

 しかし、山頂目前になって現れたのがスノーモービルのトラックベルトの跡で、山頂を越えて更に奥の院(麓山神社)から先に向って続いている。どうやら、寒河江側の柳沢集落付近から西面の尾根をたどって来た様子で、何となくがっかりして白けたムードが漂う。立ち入り禁止区域に指定されていなければ文句の言いようもないが、山全体にこだまする2サイクルエンジン音は頂けない。

 せっかく来たので更に奥の院(麓山神社)まで足を伸ばしたが、ここで烏帽子岩経由で山頂にやってきた単独の女性スキーヤーに遭遇する。地元の人間でもめったに訪れる人もいないのに、途中テント1泊でまさかこんなマイナーなコースにやって来るとは意外だった。

 小休止の後内院の斜面を物色しながら元来たコースを戻り、1407mピーク手前の東斜面に狙いを付けてドロップを試みる。しかし、気温が低めの為に斜面は意外に硬くて滑り難く、板が暴れて快適な滑降とはいえず130m程下りた所で諦めて登り返す。崩壊したブロックと共に下部には大きなクラックが散見され、どうやら既に時期を逃した様に思われる。

 稜線まで登り返して1407mピークに戻ると4人の後続パーティーがやって来て、先行して西斜面の広いオープンバーンを滑り降りていった。我々も後に続いて降りていったが、斜面には既に何本かのトラックが刻まれてゲレンデの様な有り様だった。どうやら、地元のスキーヤー・ボーダーさんには知られている様で、アプローチの良さとの降り易いコースがポイントになっている様だ。

 西面のコースは450m程まで下降する事も出来るが、今日は欲張らず250m程降りてから尾根に登り返し、往路の尾根を快適に下って畑の駐車場に戻った。



村山葉山 畑〜奥の院(麓山神社) MAP