村山葉山 1217mピークまで 南面・北面 2014.01.12

    

      村山葉山 北面のパウダー斜面

     

 山 域  村山葉山 (山形県) 南面・北面 (1217mまで) 
 山行日時  2014年1月12日(日)     
 天 候  晴れのち風雪        
 メンバー  千田 坂野    
 行 程  大鳥居7:45〜927mピーク10:50〜1217mピーク11:30〜南斜面〜1217mピーク12:55〜1北面13:45〜大鳥居15:40

 
【概要】

 今シーズンは3回姥ヶ岳と湯殿山に通ったが、毎回風雪模様の天候で東斜面や湯殿山の山頂に立つ事はなかった。週末は毎週このパターンが連続し、この時期、多くの山スキーヤーは自然と1300m以下の疎林帯の斜面を求めて集中し、毎週同じような顔ぶれが揃って賑わっていた。

 今回は、昨年からアテンドを頼まれていたメンバーを同行し、例年より早めだが村山葉山を訪れてみた。既に山形のメンバーは既に3回訪れているようで、ネットの書き込みによると積雪は十分で、パウダーシーズンインして結構楽しんでいる様だった。

 スタートの頃は晴れ模様だったが間もなく気温も下がり風雪となるが、標高の低いこの山域ではパウダー狙いにはこの時期チャンスで、新調したフットスキーが力を発揮するチャンスでもあった。




 大鳥居の除雪最終点には他の車はなく、予想通りの貸切状態でトレースは無い。当初は晴れ模様だったが三枚平を通過する頃から曇り空となり、植林地の斜面から尾根の取り付き点へのトラバースの頃には風雪模様となる。今回は馬力に勝るメンバーが一緒なので安心して付いて行ったが、トップはどんどん先行して追いつくのが辛い位のペース。

 相方は最近良く見かけるトップとテールが反ったスーパーファットだが、急峻で深い雪を物ともせずラッセルを続け、後続は何の苦労もなく後に続く。この板に乗ると皆さん手放す事が出来なくなるようで、浮力が増すことによってスピードが出るため、何か攻撃的な滑りに変わった様にも思える。

 2回の小休止で5時間かけて1217mショルダーピークに到着したが、一人の時とは比べ物にならないスピードで、やはりこの時期は4人位のメンバーが最高だと感じる。もしも事故に遭遇した時も4人もいれば対応が早く、迅速な自己スキューが可能となって安全性も高まる。


三枚平の牧草地へ進んで行く
三枚平から杉の植林地へ 目指す登路は右の急な尾根

植林地から伐採跡地を通過する 伐採跡地の斜面

 小休止の後少し南面に下ってラインを探すが、生憎マップを忘れてきてしまって4年前の記憶が定かではない。適当な斜面に狙いを付けてスタートすると板は良く浮き、スピードに乗ってショートターンでリズム感を掴んで降りてゆくのは実に快適。気温が低い上に底が締まって斜面は安定し、降り積もったパウダーの浮力感は素晴らしい。

 途中で左によってコースを修正して尾根筋を降りてゆき、250m程降った所で狭い沢筋に入って終了。この先は雪崩の予感がして何となく嫌ってしまう。よく見ると東隣りの尾根は広くて斜面が連続し、そのまま降りれば谷底まで到達しそうな様子。これが標高差430m有るという一級のラインなのだろうか?

 寝正月で暮らした体に南面の登り返しはキツく、ラストで付いて行ってもロヘロになりそうで体力の低下は歴然。ようやく尾根に登り返して元来たコースを引き返し、1050m付近の尾根から下って今度は北面にトライする。

東斜面の登り斜面は急峻 927mショルダーピークを通過
熊棚 直径5.0cm位の枝が全てへし折られていた 熊の爪痕

 北面コースのスタート地点には赤布が有り、何度もトレースされた様子が伺える。南面に比べて標高差は少なく200m前後だが、適度な斜度と広い樹間の斜面は快適で雪質が良く、自分でもお気に入りのコースでこれが三回目となる。晴れた日でも雪質は期待出来るし、北斜面にしては珍しく範囲が広いので思い通りのラインを選んでトライ出来るのも嬉しい。

 ただ、一部にはシュート状の急斜面があるが、雪崩が発生したケースも有るようで警戒が必要だ。北面コースは谷底手前まではあっという間の斜面で、思わず雄叫びを上げたくなる人も少なくないだろう。貸切状態の急峻なノントラックの斜面は数多く、スキーヤーにとってはパウダー天国という名が相応しい。

南面は崖になっている 1217mピークに到着
南面の疎林帯に飛び込む 南面のラインを読みながら下降

 相方は南面・北面の2本だけでは物足りない様な感じだったが、2本も決めればもう十分なので下降に取り掛かると、元来た道には何やら多くのトレースが有り、静かな世界は突然雰囲気が変わる。往路の東斜面には既に多数のトラックが刻まれ、なんか拍子抜けしたようでガッカリしてしまう。

 しかし、尾根筋からオープンバーンに続く斜面はまだ残されており、思い思いのラインを読みながらどんどん下降してゆく。2月になると急斜面に大きなブロックが引っかかっていて不快だが、今の時期ならフラット斜面で滑りは快適。やはり村山葉山の旬は1月から2月中旬頃か?でも、3月に入っても寒気が入ればチャンスは有る。

 気分よく植林地を下って行くとその先で先程の団体さん10名と遭遇。聞いてみる東京からやって来たクラブの方々で、富並の地元運営宿泊施設(元小学校で1泊2食付き¥4.600程)に一泊して翌日も葉山を目指すらしい。なんでこんなマニアックな山に?

 何時もの締めで大鳥居のおんどり蕎麦を食べるつもりだったが、3時ころには閉店していてそのまま帰路についた。細打ちの麺は喉越しも良く気に入っています。風呂場は狭いが今でも予約すれば¥300で温泉にも入れる模様(タオル持参)。板そば¥800で盛りも多めでキクラゲや漬物が付いてきます。

南面の登り返し 北斜面を200mほど下降
底は締まって斜面は安定している 今シーズン最高の一本を決めてご満悦
北面の広い樹間の斜面は快適 下ってみると東京から10名の団体さんと遭遇




村山葉山 大鳥居〜1217mショルダーピーク周辺 MAP