鳥海山・百宅コース




殆どトレースのない大斜面を滑る

【期日】    平成15518
【メンバー】  柴田  荒井  坂野
【天候】    晴れ
【行動】    車デポ地
640〜大清水山荘7:50〜唐獅子小屋1040〜七高山1200滑降開始1230〜大清水山荘1400〜車デポ地1500


 ここ3年間は毎年シーズン最後のスキーを締めくくる為、5月の後半に鳥海山の雪の斜面を求めてやって来ている。鳥海山の秋田県側は豊富な雪の量に恵まれ、頂上から連続したスロープが広がり、山スキーヤーにとってはすばらしいフイールドを提供してくれる山域である。豊富な雪の量、連続したスロープ、そして1500mほどの高度差を誇るスケールは、山スキールートとしては全国的に見てもすばらしく、この時期多くのスキーヤーがやってくる。

 昨年の祓川コースに引き続き、今年は東面の百宅コースを目的に百宅部落を経て林道に入る。大清水山荘方面車を進めたが、途中で雪渓が道をふさぎ、ここでテントを張って宴会に突入する。翌日になって樹林帯の隙間から鳥海山を覗き込んだところ、予想以上に鳥海山が遠くに見えるので少し驚いた。

 

        大清水山荘手前の林道より                 ブナ林の雪の斜面

 大清水山荘までは1時間10分ほど歩き、山荘で清水を一杯口にしてスキーをつけて登り始める。その先の見事なブナ林の雪の斜面にシールを効かせながらもくもくと進み、トラバースしながら尾根を目指しながら少しづつ高度を稼いでゆく。登山者は我々3人の他、先行パーティ2組、7人のみで、昨年の祓川コースと比べると実に静かな山行で、実に気分は良い。

 尾根に出てから雪の斜面を左にトラバースしながら高度を上げ、1箇所ブッシュを横切ってからは雪の斜面は連続し、ただひたすら頂上方面に向かってスキーを走らせる。思ったより長い斜面をただもくもくとスキーを走らせる事に飽きてきた頃、忽然と唐獅子小屋が現れた。ちょっとした台地状になっていて、ブッシュの陰に隠れて下からは見えなかったが、その先は見事なオープンスロープの大斜面が待っていた。

この広い斜面は自分の好きなコースを選び、自由気ままにスキーを走らせることが出来る。頂上付近の四角の大きな岩が良い目印になり、その下に広がる雪の斜面をただひたすら直登してゆくと、外輪山下で先行していた荒井君の姿があり、やっと長い百宅コースの終了点にたどり着くことが出来た。

 ここから七高山までは150mほどの距離であるが、スキーをデポし、空身で七高山に詣でる。山頂には祓川コースから上がってきた多くのスキーヤー、湯の台コースかの来た登山者、が頂上でのひと時を楽しんでおり、なにか今までの静かな雰囲気が突然吹き飛んでしまった。遅れて到着した柴田氏を待ってから早速待ちに待ったスラロームを開始する。

スタート地点から適度な傾斜の斜面が広がり、広大な天然のゲレンデにもう存分好きなシュプールを描きながら滑り込んでゆく。雪の状態は比較的良く締まっていて、パラレルターンを楽しむには快適なスロープが連続し、唐獅子小屋まではあっという間の滑りで到着してしまう。先々週の飯豊連峰、北股沢の滑降では急な斜面と、不安定な重いザラメ雪に苦しめられ、緊張の連続でスキーを楽しむという余裕など無かったが、ここはまさに楽園という言葉がぴったりするような所である。

  

           大清水山荘からの連続した斜面              唐獅子小屋上部の斜面を行く

 唐獅子小屋には新潟からやってきた4人パーティーがいたが、我々も小屋で小休止の後先行して下り始める。快適な斜面がさらに連続するとつい調子に乗ってスピードを出し、登ってきたトレースを見失うとルートを外してしまい、いつのまにか下り過ぎてしまう。ルートに戻るまで15分程時間のロスをしてから先は樹林帯まで一気に滑り込み、ブナ林をトラバース気味に下降して大清水山荘にたどり着いた。

  

             唐獅子の小屋下の斜面                  雪が締まり快適な滑降が続く

 車のデポ地から標高差1600m、往復8時間20分の往復は結構体にこたえるが、それに見合うだけのすばらしい充実感も伴う山行であった。

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