蔵王連峰 水引入道 2006.01




底は硬いが軽いパウダーに満足。



 山 域  蔵王連峰 水引入道 (1656m) 
 山行日時  2006年1月22日(日) 
 天 候  風雪
 メンバー  単独
 行 程  白石スキー場〜神嶺林道〜水引入道(1656mピーク)〜白石スキー場

 今日は所要があっていつもより2時間遅れて8:00AMに自宅を出発し、白石スキー場に到着したのは9:10AM。昨日の晴天から今日は冬型の気圧配置が強まり、目標の水引入道への尾根は上部がすっかり雲に覆われて強風が予想された。もう少し視界良好で風もたいしたことはなければ、あわよくばコガ沢へなどと欲張ってみたが、現地で空を眺めてすっかりモチベーションは低下してしまった。

1月22日 白石スキー場9:35〜登山道入り口9;55〜水引入道12;50 13:25〜登山
       道入り口13:50〜白石スキー場14:15       

 【1月22日】
 白石スキー場を出発して神嶺林道を進んで行くと、昨日のものと思われるスキーのトレースが有った。コガ沢の橋を通過して下り気味にスキーを走らせて行くと、水引入道登山道の入り口を示す看板が有る。昨日の好天で気温が上昇したのか硬い雪に少し雪が積もった斜面で、カラ松と潅木の混在する蔵王特有の荒れた林の中を、点々と付けられた赤布に導かれて登山道どうしに登ってゆ行く。標高100m辺りで赤布は見えなくなり、所々解りにくいが広い尾根をただひたすら上を目指しすと、やがてはっきりした尾根となって少し傾斜を増してゆく。
 
   
コガ沢の橋 神嶺林道から登山口へ 荒れたカラ松林の登山道を行く
 
 標高1100mころから広葉樹のやや歩き易い斜面となり、1200m位になるとやや雪が深くなるがくるぶし位であり、ファットスキーの恩恵を受けながら休みもとらず黙々と進む。まもなくすると体が汗ばんできたので中のベストを脱ぎ、帽子をバンダナに変えてはっきりとした尾根を忠実に辿る。1250m地点で若干の下りとなって風を防げる林となり、いったん休憩を入れながら再び帽子、フードの防風スタイルにチェンジする。やがて1400mを越した辺りからまばらな潅木帯となり、その分風も強まってだんだん地吹雪の様相となってくる。

 この先は潅木の少ない広いパウダー斜面となり、底は硬いアイスバーンになっているが程よい深雪が乗っており、下りのパウダー天国を予想させる快適斜面が続いている。しかしアイスバーンの上に乗ったさらさらのパウダーはなんとなく不安定で、ジグを切る時も斜面の様子を注意しながら高度を上げてゆく。水引入道直下の斜面は先週辺りの雨の為かすっかり縦溝が出来ており、所々露出してアイスバーンになって歩き難い。今年もファットスキー用のシールを買えず、仕方なく細いシンテシ用シールを使ったツケがここで出てきた。露出した硬い斜面のトラバースは特に難儀で、ずるずると後退を繰り返しながら進むがやがて限界となり、結局坪足となってキックステップを刻みながら進む。この斜面は意外と硬くて蹴りこんでも兼用靴のコバがやっと入る程度で、ファットスキー用のスキーアイゼンを持ってなかった事が悔やまれたが、50mも登ると歩きやすくなってからそのまま水引入道のピークに立つ。

    
1400m付近から下部の尾根を見る 次第に風雪が強まる

 今日は北屏風の山頂に立ちたいところだったが、このアイスバーンでは稜線直下の急な斜面は登れないだろうし、不安定な雪だと雪崩がありそうであまり気が乗らない。期待した南屏風のコガ沢、北屏風の秋山沢の斜面もはっきりと見ることは出来ず、風雪も強まって来たので今日はここまでとして下降に取り掛かる。1〜2月の蔵王連邦は毎年このような状況が当たり前で、休日になかなか沢筋を滑るチャンスは訪れないのが残念。

 山頂でシールを剥がしてお待ちかねのパウダースキーとなり、部分的なアイスバーンを逃げながら軽いパウダーを蹴散らし、潅木を避けながら広い斜面を快適に滑り降りる。このシーズンでは始めての本格的なパウダーランで、写真を撮って惜しみながら次第に尾根方向へ下降してゆく。今日は山頂には立てなかったが、これが全てを帳消しにする様な満ち足りた気分に浸ることが出来た。途中から藪が濃くなって滑りにくくなってくるが、登山道通しのクイックターンのコツを覚えると、余計な体力も使わず結構楽しみながら滑ることが出来る。きっと藪スキーをものともせず、どんな傾斜、深雪、モナカ雪、アイスバーン、シュカブラなど、どんな雪質でもこなせるオールラウンダーこそ山スキーの達人と呼ばれるのだろう。山スキーは入れ込むと奥が深くまだまだ修行は足りない。水引入道からは25分で神嶺林道に到着し、白石スキー場には14:15に到着した。

 
  
風雪は強まる一方 北屏風東壁(コガ沢)も厳しい様相

    
コガ沢もご機嫌は斜め 馬の神方面の尾根
水引入道下部のパウダー斜面 底は硬いが満足の滑り

 
南蔵王 水引入道コース