二口山塊 北面白山 (1265m) 2009.02




1024mピークからコルを経て山頂へ




 山 域  二口山塊 北面白山 (1265.0m)
 山行日時  2009年1月8日(日)   
 天 候  風説  -6℃ (山頂付近) 
 メンバー  木村 坂野
 行 程  天童高原スキー場〜1024mピーク(コル付近)〜1250m(最高点)〜天童高原スキー場  標高差 600m  

 強い冬型の気圧配置が緩む事を期待しながらの山行だったが、結局寒気が居座った様で強風と視界不良は相変わらずでパッとせず、山頂直下で退却して厳冬期の洗礼を受けた1日。ただ、標高が低いこのコースでは山頂下の200m程を我慢すれば良い訳で、この時期なら意外なパウダーを楽しめると思った。しかし、標高の低さと雪不足にはどうにもならず、結局二口山らしい藪スキーをさせられる1日となった。この時期の山スキーではこれも仕方なしと考えよう。
 
【概要】

 天童高原スキー場に着いてみるとお客さんは皆無で、さびしそうなゲレンデを除雪のグレーダーだけが忙しそうに走り回っていた。朝からの荒れ模様が治まる気配は無く、オープンしたばかりのレストハウスに逃込み、結局は天候待ちとなって暇つぶしとなる。このままだとすっかりダレきってしまいそうだったが、従業員の方と雑談しているうちに風は次第に弱まり、重い腰を上げてようやく出発の準備に入る。

 天童高原スキー場左のゲレンデトップからキャンプ場を通過し、次第に明瞭となる尾根筋を辿って行くと登山道となり、所々整備された標識を通過しながら尾根を右に辿り、尾根下斜面をトラバースする登山道を進んで行く。しかし、登山道左の急斜面は上部が雪庇になっており、崩れ落ちた雪が溜まって多少歩き難い。先日の登山者の者と思われるワカンのトレースがあり、我々もそれに習って進んで行くと突然急斜面の直上コースとなる。山スキーならまだキックターンも易いが、相方のテレマークでは藪に弄ばれて苦労も多いだろう。

 30mも上ると唐松林の樹林帯の尾根になり、後は傾斜の緩い樹林帯のスロープが続いている。しかし、1mも無い積雪では例年と比べて雪不足は明かで、標高も低い事も手伝って一面は藪がらみとなり、勝手にツリーランを想像した安易な考えは消え去った。このコースは意外と視界が利かなくて下部は余りぱっとしないが、樹林帯で守られている分だけ風雪の日々にはむしろ好都合で、頂上を目指さないならこれでもそこそこ楽しめるだろう。


立派な登山標識 立派な登山道が続く
1024mピークからコルを越えて山頂へ テマーカー氏は急斜面で泣きが入る

 標高900mを越える辺りでは斜面も広くなって低潅木となるが、風雪は次第に強まってきて寒気も強まり、ジャケットは氷が張り付いて次第に厳冬期の雰囲気となる。1024mピークを通過するとコースは南東方向に右折し、10m程のコルを下ると左に雪庇が張り出した狭い尾根が続き、雪庇を避けながら樹林帯の急な斜面にシールを聞かせてジグを切って行く。20cmほどの新雪だが下は湿った雪の斜面でやや硬く、板への体重移動さえ工夫すれば急な斜面でも無理なく登れる。山頂直下の無木立斜面となるとさらに傾斜は増すが、風雪に叩かれながらシュカブラを避けてただモクモクと高みを目指す。

 GPSで高度を確認して山頂に近くなった頃、突然痩せた尾根に登り詰めて前方の視界は無くなった。風は強烈で前方を向く事も出来ず、反対側の東斜面は切れ落ちて雪庇が張り出しており、この状況ではあまりお勧め出来る雰囲気では無かった。結局山頂まで後15m程を残しているが結論は早く、MAPを取り出してコースを確認して速やかに下降に取り掛かる。狭い尾根上で下降の方向を誤ると厄介だが、所々トレースが切れていてもGPSの信頼性は高く、まったくコースを外す事なくかつ時間のロス無しで降りられる。こんなケースで自分はGPSの使用を躊躇う事は有りません。

山頂直下の斜面では風雪が厳しい 下りだけは元気なテレマーカー氏

 コルを登り返して本日2回目の休憩を取り、後はシールを外してパウダー斜面を降りて行く。快適な疎林帯とは行かなかったが、これでも蛇のようjなクネクネターンで潅木帯を切り抜け、唐松の林が出てきた所で登山道に戻って下降して行く。登山道は雪庇が崩れて通路を塞いでいるが通過に問題は無く、間もなくキャンプ場を通過して天童高原スキー場へ辿り着いた。殆どがファミリースキーで我々の様なお客などは皆無で、考えてみればこんな所を訪れる人は物好きの部類だろうが、あと1m位積雪が多ければもっと快適なツリーランコースになっているかも知れない


  


天童高原スキー場〜北面白山周辺 MAP