姥ヶ岳西面・湯殿山東面 2009.04


    

      帰る頃には快晴の湯殿山東斜面

     

  山 域  月山  姥ヶ岳・湯殿山
  山行日時  2009年4月5(日)
  天 候  風雪のち晴れ   気温 -0℃ (山頂付近)  
  メンバー  単独
  行 程  6:35志津〜8:05 8:35石跳川天気待ち〜9:58姥ヶ岳 西面〜10:34 10:50石跳川〜11:34湯殿山 東面〜石跳川〜12:30志津

 月山は最近厳冬期にもスキーヤー・ボーダーが訪れ、晴天の日などには姥ヶ岳付近にもパウダー狙いで賑わっている。湯殿山もそうだが、東斜面には北西風が運んだ豊富な吹き溜まりが発達し、無木立の大斜面は素晴らしいパウダーランのフィールドとなる。また、下部のブナの疎林帯もツリーランが魅力のエリアで、月山では当たり前の天候不良時にも我々を十分に満足させてくれる。

 しかし、この月山界隈にはどの位のツアーコース・滑降コースがあるのか?そんなことを考えながら滑るのも楽しい。月山は蔵王についで身近な山スキーエリアで通い詰めているが、全てをトレースした人は何人位いるだろうか?。

 大体数え上げてみるとおおよそ次の通り。
【ツアーコース】@北月山コース A月山〜肘折コース B品倉尾根コース C月山南尾根コース D本道寺コース E仙人沢コース?
【滑降コース】月山東面・大雪城 姥ヶ岳東面・南面・西面 湯殿山東面・南面など。 
 
 なお、月山山頂から北東に伸びる尾根上のオモワシ原にも記録があり、自分ではまだトレースはしていません。月山には珍しい林道が続いてアプローチに難があり、気軽にトライするという訳にも行かない。また、仙人岳周辺もまだ訪れていないのも気にかかる。



【概要】

 志津の駐車場についてみると湯殿山・月山は雲に覆われ、早い雲の流れが山頂での強風を物語っていた。既に単独の山スキーヤーがスタンバイしており、雑談を交わすと先行して姥ヶ岳方面へと出発していった。出発するとネイチャーセンター方面には多くのトレースが残され、昨日の好天で姥ヶ岳・湯殿山共に大入りだった様子が伺えた。

 最初は石跳川から姥ヶ岳を伺って左岸に取り付くつもりだったが、山頂方面は厚い雲がかかってすぐに回復する様子も無く、そのまま上部を目指してどんどん先を行く。単独の山行はこの途中変更が当たり前で、天候とフィールドのコンディション、それとその日の気分によってコースを変えるのも楽しい。行き当たりばったりの時間空間というのも魅力で、特に山スキーなどは極めてフリーハンド的な要素が強いのが嬉しい。

 やがて湯殿山東斜面の基部に辿りついたが、上部は相変わらずの風雪模様でパットせず、いったん100mほど戻った窪地で強風を逃れて模様眺めの小休止とする。風は有るものの寒さは感じ無いので気は楽で、やがて雲が少しづつ上がってきて行動を再開する。

余りぱっとしない石跳川を遡る 装束場手前の石跳川で天候待ち

 装束場に着いてみると視界がやや広がり、反対側の品倉尾根の上部が姿を現すと何か元気が出てくる。するとオートモードで進路は姥ヶ岳に向かい、最短距離方向の尾根にシールを効かせてジグを切って行くと、昨日の賑わいを物語るようなトラックが見られる。山頂直下は氷の斜面が続いて滑って足を取られるが、シールをフラットに保つと問題は無い。
 
 幸い姥ヶ岳山頂付近で一時的に雲が切れ、休む間もなくシールを付けたまま引き返して途中から左に進み、ブッシュ帯を降りて行くと目指す西面コースだった。シールを外して準備を整えるが、予想はしていたものの上部は氷の斜面から始まってシュカブラとなり、ガタガタ斜面の連続では滑りでは楽しみも無く下降のみ。後は我慢の連続で降りていって下部斜面でようやくフラット斜面を拾い、申し訳程度の滑りで石跳川にたどり着く。やはり快適ザラメには早過ぎた。

 もういい加減に帰ろうかとも思ったが、まだ時間も有るのでこのまま再び装束場を目指し、姿を現した湯殿山山頂を目指して尾根に取り付く。一時仙人沢から吹き上げる強風に押し戻されそうになるが、耐風姿勢を持ちながら進むと間もなく山頂だった。初めて立った湯殿山北側のピークだったが、今日の目指す東斜面は最低鞍部付近のど真ん中で、下を覗くと狭いルンゼが屈曲して下部は見えなかった。

 準備を整えて最初の急斜面を斜滑降で入ったその後、
いきなりスラフに足を取られてバランスを崩してしまう。尻から滑り落ちてしまうが斜面にエッジを効かせ、無理やり立ち上がって斜滑降の体制をとって逃げる。雨が降った後のクラスト斜面には薄いが重い雪が載り、トップが引っかかってスキーを回すのには苦労する。下部では疲れてきたのでロングターンで適当に流して石跳川に辿り着く。斜面にはクラックもデブリ見られずフラット斜面で、ザラメ雪だったらきっと思い切ったスキーが出来ただろうが・・・。

 
石跳川を降りて行くと間もなく志津の駐車場だが、湯殿山東斜面を滑ったスキーヤーも降りた後で、結局この日は誰一人として会うことの無い、ほぼ独占状態の贅沢な一日だった事は感謝しよう。来週からは高速代¥1000乗り放題で、おそらく月山目掛けて多くのお客さんが殺到するだろう。

姥ヶ岳の山頂は強風で視界も不良 アイスバーン&シュカブラの姥ヶ岳西斜面
湯殿山山頂から仙人岳方面 姥ヶ岳西斜面はすっかり晴れ模様




姥ヶ岳・湯殿山周辺  MAP