月山  志津〜姥ヶ岳 2007.12



姥ヶ岳南斜面方面はガスの中




 山 域  月山 姥ヶ岳 (1669.7m)
 山行日時  2007年11月25日(日)   
 天 候  曇りのち風雪
 メンバー  単独
 行 程  志津6:30〜ネイチャーセンター7:02〜石跳川〜1250m尾根上8:52〜姥ヶ岳10:22〜姥沢11:19〜ネイチャーセンター〜志津12:30


 11月25日の出来すぎた初滑り以降はすっかりノのブランクで、その後35日間は山とは無縁な暮らしに戻ってしまった。しかしその後は天候にも恵まれなかった様子で、何時もの不機嫌な月山に逆戻りしたらしく、快適なスキー山行の話題も届いていない。月山は毎年こんな雰囲気なのだろうが、早朝に志津に到着してみると積雪は意外と少なく、朝から気温は高めでまるで初冬の寒々とした緊張感は無かった。

 
【概要】
 志津の駐車場に到着すると他に車は無く一番乗りだったが、早速身支度を整える頃にはすっかり明るくなった。寒くも無く鈍ってしまった体にはちょうど良いコンデションで、足慣らしには手頃なコースと軽く考えて出発する。この先の車道は通行止めだが、ネイチャーセンターの手前までは除雪されている。地盤調査の為のボーリング作業が行われており、現場までの工事車両が通る車道が確保されている為、スキーでは中途半端にアスファルトが露出した道路は歩き難い。
 

 昨日は日本海側も高気圧に覆われ、月山にも多くのスキーヤー・ボーダーが訪れた模様だが、今日は南岸低気圧が接近した為に空模様はぱっとせず、姥ヶ岳山頂方面はガスに覆われている。しかし湯殿山は山頂が姿を現しており、視界の取れる湯殿山を目指すか、または予定通り姥ヶ岳を目指すか悩むところだ。今日は久しぶりの一人旅だがこういう山行も悪くは無く、天候次第の行き当たりばったりの自由も楽しいものだ。

ネイチャーセンターの積雪もこの程度 まだ埋まりきらない石跳川
 
 ネイチャーセンターを通過してまもなく橋の有る水路を越え、昨日のトレースに沿って石跳川左岸を詰めて行く。石跳川はまだ埋まりきっていない為、適当な所から右岸に渡って湯殿山を目指そうとするが渡れない。仕方なくそのままトレースに導かれるままに左岸を進むと、何時の間にか湯殿山の山頂はガスで覆われていた。こうなれば進路は姥ヶ岳狙いとなり、途中の小さな沢から斜面に取り付き、姥ヶ岳へと続く尾根を目掛けてジグを切って行く。緩やかな斜面は沓下程度のラッセルで歩き易く、すがすがしく汗をかく事も無いので心地よい。途中で目の前に兎が飛び出したが、シャッターチャンスを物にするのは難しい。
 
 最後の斜面の取り付きで今日最初の一本を取り、その後15分位で斜面を登りきると対岸に姥沢小屋が見えた。姥ヶ岳方面の尾根上には昨日のスキーヤーのトレースが有り、南斜面には多くのトラックが刻まれていた。しかしすっかりガスに覆われた姥ヶ岳は不機嫌で、いい加減に諦めて帰れと言っている様にも思える。でもここですんなりUターン出来ないのが山屋の悪い癖で、風もさほどでも無い様なので迷う事無く山頂を目指す。

ひっそりと静まり返った姥沢小屋 リフト下の積雪も意外と少ない様子

 1350mの森林限界を超えると風が強まるが、視界は100mほどで気にせずどんどん上部を目指す。最近気温が高めだったのか南斜面は雪は重く固めで、先日のトラック跡も皆さんのターンには苦労の跡がしのばれる。次第に1500mを越えるあたりからシュカブラが登場し、視界も20m程となってただひたすらと上を目指す。アイスバーン気味の斜面はスキーアイゼンが無くても問題ないが、ようやく着いた姥ヶ岳はホワイトアウトの厳冬期の様相で、着いてから帰り方向を目指して板を置くことを忘れない。GPSが有るとはいえ小さな液晶画面では帰路の出だしが解り難く、うっかりすると方向を誤る事も有る。姥ヶ岳のような広い山頂ならまだ良いが、複雑な地形で狭い山頂だったりするとうっかりミスをしがちだ。
 
 下りはすっかりGPS便りの下降となり、まるでスキーにはならない辛い仕事の様なもの。滑っているのか止まっているのかも解らず、ちょっとでもバランスを崩すと転倒してしまい、ホワイトアウトでモノトーンの世界は好きではない。山スキーでは決して転ばない事が基本で、転べば体力と時間を浪費してスピーディーな行動は出来ないからだ。次第にフラット斜面となるがモナカ雪ぽくなり、トップがひっかり易くテールを沈めながらターンして行く。著名な山スキーヤーの方にはこの技の達人がおり、雪を割りながらクネクネと滑り降りるそうで、是非その滑りを拝見したいものです。

 姥沢でカップラーメンを作って休憩していると、今日始めての山スキーヤー2人が上がって来たが、その後はスキーヤー・ボーダーの姿は見当たらなかった。車道から石跳川を目指して下降する林間コースだが、まだ薮は埋まりきらず久しぶりの薮スキーで下降して行く。途中で遭ったのはスノーシューの団体さん2パーテイーで、やはりスキーヤーの姿が見られなかったのは少し寂しい。駐車場の手前で一人のハンターに出会ったが、当てにしていた兎や鴨にはまったく相手にされなかった様子で、すっかりあきらめて帰るところだった。山行中にはあれ程兎の足跡を目にするが、最近は兎が減ってしまい、熊鷹もいなくなってしまったと言う。でも、こんなにスキーヤー・スノートレッカーの多いこの界隈で、いったいとこで鉄砲を撃っているのだろうか?
 
1350mの森林限界付近から上はこの通り ホワイトアウトの中を姥沢山頂へ
姥ヶ岳南斜面は意外と重い雪 姥沢周辺は風も無く和んだ雰囲気
  


月山 志津〜石跳川〜姥ヶ岳 ルートMAP