月山 姥沢周辺〜リフト終点 (1500m) 




リフト下の斜面上部では風雪が強まる。




 山 域  月山 姥沢周辺 (1500m リフト終点まで)
 山行日時  2006年 12月3日(日)  
 天 候  風雪 
 メンバー  荒井 坂野

 すっかり2ヶ月ほど山から遠ざかっていたが、以前から今シーズン最初のスキーは月山に決めていた。いつもならこの時期は宮城蔵王、山形蔵王辺りを徘徊するものの、強風続きの悪天候に愛想をつかして馬の背稜線で撤退となる。それどころか歩いて1時間の大黒天でUターンし、下のリフト小屋で一人宴会となる事も有る。3000mクラスの中央山域とは異なり、標高の低いここ東北ではいきなりパウダーライフに突入する事は難しい。

 1週間前の土曜日は素晴らしい晴天に恵まれ、姥ヶ岳周辺で滑った方はラッキーだった。しかしこの悪天候でもスキー用具を引っ張り出し、眠い目を擦りながら早朝の姥沢を目指す自分もやはりスキー屋稼業。山岳会現役時代にはもっぱら富士山などでの雪上訓練が常識で、スキーなどまったく眼中に無かったが人も変わるもの。しかし、2ヶ月も山から遠ざかっていると深雪のラッセルは楽じゃない。

 コースタイム=志津6:45〜姥沢9:35〜リフト終点11:10 スタート11:45〜志津12:40

 志津に到着してみるとどうやら我々が一番乗りらしく、しばらくして2人のスノーボーダーが後からやって来た。昨日から今シーズンでは最も強い寒気が入り込み、今日の朝にかけては相当の降雪量があったようだ。スタートしてみるとポケロケでも靴の上程のラッセルで、登るにしたがって深くなる様子。今シーズンポケロケ用に購入した新しいシールを貼り付け、トップを交代しながら単調な林道を進んで行く。

 しかし、何時に無くピッチは上がらず時間だけがどんどん過ぎて行く。雪はサラサラでしかもフカフカ。ノンストップでの姥沢入りを目論んだつもりが自分からギブアップ宣言し、2時間半位歩いた所で1本となってしまう。昨日より5℃以上気温が下がっているらしく、休んでいると体はどんどん冷えてきて寒い。坪足になってみると股の辺りまで沈んでしまい、これでは後にスノーシューで続くスノーボーダー2人も楽では有るまい。

 ひっそりとした姥沢辺りではさらに風が強まり、まだ寒さに慣れていない為か体は強張っており、リフト乗り場でベストを着込んで上部を目指す。リフト下の斜面はジグを切って高度を上げるが、下部は潅木帯で風が遮られてほっとする。しかし元気だったのは途中までで、後半はトップとどんどんと差が開いて行くばかり。ようやく到着したリフト終点は強風が吹き荒れて視界も無い。

姥沢のひっそりした様子 リフトの下だけは強風から逃れられる

 ようやく逃げ込んだリフト降り場の下は格好の避難所で、パサパサしたパンをあったかい紅茶で無理やり押し込んで昼食とする。ジャケットは既にバリバリに凍りつき、既に姥ヶ岳へ向かうモチベーションなどは既に持ち合わせていなかった。あんまりのんびりしている気分でもないので、早速シールをはがしてお待ちかねのパウダーランへ。

 リフト下の上部斜面は片斜面になっていて狭く滑りにくいが、この東北でこの時期あんまり贅沢もいえない。しかし雪の量は申し分なく、後半からは斜度も適度でフカフカ雪のパウダー斜面となり、忘れかけていた浮遊感がなんとも言えない。まだリズミカルなショートターンとは言えないが、短いながらもパウダー独り占めの快感はたまらない。肝心のショットをカメラに収めようとしたがシャッターが降りず、レンズも雪まみれになって諦めた。

 姥沢小屋の下で単独のテレマーカー氏と言葉を交わし、姥沢ではこれから林道を下る4人の山スキーヤーを追い抜いて下って行く。サラサラ雪で板は良く走りスピードも出るが、ふくらはぎにくる負担は結構辛くて我慢の滑りで一気に志津を目指す。今季初の山行としては今ひとつ物足りなかったが、いきなり厳冬期の本チャン模様になったのはむしろ幸せな事なのか?
 

リフト降り場の下にもぐりこんで休息 激パウダーを独り占めして満足
上部は既にこんな様子 視界不良もお構いなしに下降

  


月山 志津〜姥沢〜リフト終点 ルートMAP