北蔵王 笹雁新道から雁戸山 (1484.6m) 


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北雁戸山から見る南雁戸山。




 山 域  北蔵王 北雁戸山 (1484.6m)
 山行日時  2005年 11月27日  
 天 候  曇り (山頂で積雪40cm) 
 メンバー  単独

 昨年と比べると2〜3週間早いこの時期に湯殿山スキー場がオープンし、すっかりその気になって姥沢方面を目指そうと思ったら天気予報は曇り、しかも雷。筋トレ覚悟の山行計画だったが気温も高めなのであっさり諦め、急遽お手軽な北蔵王、雁戸山の山歩きに変更。コースは笹谷部落から沢沿いに開かれた笹雁新道を選んだ。

 コースタイム= 林道終了点8:40〜笹雁新道〜雁戸山10:50 11:20〜林道終点12:35

 林道終点に着いてみると他の車は無く登山者の姿は他にない。登山道を左岸を砂防ダム沿いに進んで行くが、樹林帯の中をトラバース気味に高度を上げるとまもなく雪が出て来る。昨日は晴天だったのか4〜5名の登山者のトレースが残っており、ラッセルも無く調子よくどんどん進んで行く。積雪は有るものの11月末にしては気温が高く、風もあまり強くないので次第に汗ばんでくる。最近になって寒さが緩んでしまい、降った雨の為に硬くしまった雪で登山ならまだしもスキーとなると難儀な様子。快適な初滑りなどとすぐ思ってしまうが、標高が1500〜2000mクラスの東北の山ではこの時期快適なパウダーを求めることは難しい。

 1100mで森林限界を脱すると視界が広がり、北側の二口、船形、晴れていれば栗駒山まで見渡せるすばらしい景観。さらに稜線に上り詰めると目の前には北雁戸山に連なる山並みが広がり、普段は見慣れないような北雁戸山、南雁戸山の山頂の姿が印象的だ。いつもの見慣れた双子峰とは違い、ボリュームの有る男性的な山容は以外であり、雪をまとった鋭鋒は東北の山らしからぬ雰囲気がある。

登り易い登山道 北の二口、船形方面 稜線に飛び出ると雁戸山

 稜線に出ると急に風が強まったのでジャケットを着込み、テルモスの紅茶を飲んでから進路を右にとって雁戸山を目指して歩き出す。しばらくすると50mほど下って鞍部になり、雪の付いた急峻な尾根を登り返すと主稜線に合流し、さらに右へ100mほど進むと北雁戸山のピークだった。山頂に立つと蔵王ダムから吹き上がる風は冷たかったが、それでものどを潤す缶ビールの味は格別だった。思い出せばこのピークにたったのは32年くらい前で、3月に不忘山から二口までの蔵王連邦全山スキー縦走の時以来だ。当時は重いキスリングにスキーを横に括り付け、風雪の中四苦八苦しながら南雁戸、北雁戸を越していった記憶がある。

 体が冷えてくるのでまもなく山頂から下り始めると、途中で笹谷側から上がって来た若い単独行者とすれ違った。彼が今日会った唯一の登山者だった。天候が崩れ出して山頂がガスに覆われはじめ、元来た道を悪天候に追われる様にして飛ばして下って行く。途中で雨がパラついてきたが、カッパを着込むまでの事も無く林道終了点に帰着した。

 この笹雁新道はなかなかの人気のコースらしく、標高差900m程あるがコース取りが良くてあまり急な登りも無く、管理もしっかりされていて大変歩きやすい。稜線に上がると北側の二口、船形、栗駒山方面の展望や北雁戸山へ続く山稜の雰囲気も良く、山スキーでの冬山日帰りコースとして使えるかも知れない。

鞍部手前から見る南雁戸山 ボリューム感の有る北雁戸山

北雁戸山北側の鋭い主稜線 北雁戸山から見る南雁戸山

  


雁戸山 笹雁新道 ルートMAP