北蔵王 南雁戸山



南雁戸山から見る北雁戸山


【山域】     北蔵王 南雁戸山 
【山行日時】  2004年 12月19日(日)
【天候】     曇りのち晴れ
【登山形態】  冬山登山
【行程】     ブドウ沢林道9:40〜八方平11:15〜12:20〜八方平13:00〜ブドウ沢林道14:20


 今日は暖冬ですっかり諦めムードのスキーは敬遠し、山スキーには不向きな北蔵王の雁戸山を目的に笹谷からブドウ沢林道の終点付近までやって来た。穏やかな様子を見せる南蔵王、中央蔵王と異なり、ここ北蔵王周辺の山並みは大きく変化し、急峻で稜線は狭く一部岩稜帯となる。30年ほどの3月に、不忘山から刈田岳〜北雁戸山〜笹谷峠〜二口峠をスキー縦走したことがあったが、北雁戸山では30Kg以上のキスリングにスキーを横に括り付け、苦労の末ピークを乗り越えた記憶がある。笹谷峠への雪の稜線では雪庇を踏み抜き、30m程滑落した事もあった。

 何時もはブドウ沢の清水を汲みに来る車が多く入る所だが、今頃になるとそういう気配は無く他に車は見当たらない。林道から枝道を少し行くと終点で、ここからしっかりとした登山道が八方平方面に続いている。今日は仙台を7時に出た為に大幅に遅れた出発時間だったが、天候はこれから回復傾向の為かえって好都合。出発して沢沿いの登山道から尾根に取り付き、急な登りに差し掛かる頃から雪が出てくる。誰も歩いた気配の無い登山道は、所々雪の重みで垂れ下がった枝が邪魔になり少し厄介だが、ジャケットの上下を着込んで頭から突っ込むようにして先を急ぐ。

 八方平についてみると実に立派て快適そうな避難小屋が建っていた。水場は少しはなれているようだが、他に登山者がいなければ宴会場としては最適の小屋で、仲間同士できっと盛り上がるに違いない。ここで休憩を取ることなくそのまま広い稜線を雁戸山を目指して登ってゆくと、天候もだいぶ回復してきて山頂方面の姿も見られるようになる。南蔵王、中央蔵王の冬には何時も強い風に悩まされるが、今日は風が無いだけ穏やかな冬山ののんびりした雰囲気を楽しむ事が出来る。

 南雁戸山の山頂に着いてみると、眼下に蔵王ダムが見られ、北側の稜線には雲がかかった北雁戸山が見渡せる。積雪は40cm程で、気温は0.℃。確かに暖冬の為気温は高く雪はかなり少ない。ここから北雁戸山へはさらに一つピークを超えてから高度を下げ、登り返しが待っているので、気軽に往復すると言うわけには行かない。残念だが今日の所はここまでとし、写真を何枚か収めてから下山にかかる。八方平避難小屋に戻って一服し、遅い昼食を取っていると天候はさらに良くなり、熊野岳、刈田岳方面は雲に覆われていて見えないが、ここでは風も無く何か春山のようにさえ感じられる。小屋の内部は綺麗に清掃が行き届いていて実に快適そうな山小屋だ。下りは雪で滑りやすい登山道を1時間10分ほどで下り、何時ものようにブドウ沢の清水をポリタンに詰め込んで仙台へ戻った。